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人気商売
「人気商売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人気商売の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
蝶子は先刻の芸者達を名指しで呼んだ。自分ももと芸者であったからには、不粋なことで
人気商売の芸者にケチをつけたくないと、そんな思いやりとも虚栄心《きょえいしん》と....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
陰へいってみると、四郎さんが殺されていたのですのよ。あたしはハッとしたんですが、
人気商売の悲しさにはぐずぐずしていると人に見つかって大変なことになると思ったので....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
売はやってもいいから、たまには逢うことにしようと言うのだったが、近所が煩さいし、
人気商売だから、寄りついてくれても困ると言って、小夜子はぴったり断わった。――と....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
之がいつも必ず何等かの利害打算に基いているという点なのである。だからこそ投機業者
人気商売は、迷信的なのだ。その人はこの点には殆んど見向きもしないで、単に科学的認....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
いるようなものだ。 だがこう云っても、所詮役者は役者に過ぎない。英雄と云っても
人気商売の英雄はナポレオンでない限り本当の支配者ではあり得ない。それは英雄という....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
以てするよりは、国民のうちの、いちばん、上っ調子な、惰弱《だじゃく》な、雷同的な
人気商売の部分を利用して、悪い遊戯を流行させるのがちかみちだという昔の歴史を聞い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いました。 まあそれ、小娘ばかりを笑ったものではないぞ。 今の政治家がみんな
人気商売の役者と違ったところはない――と京都にいる時、ある志士の慷慨《こうがい》....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
すようだけれど、女優と闘牛士なんて、どっちも西班牙の生活に重大な別社会を作ってる
人気商売である。相接する機会が多く、じっさい、何だかんだとしじゅう一しょに噂の種....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
晩から花々しく押し掛けるとのことであった。 「何分よろしくお願い申します。」と、
人気商売の富子はくれぐれもお春に頼んで、何十本かの配り手拭を渡した。 「せいぜい....
「好人物」より 著者:豊島与志雄
、医者にも適宜な依頼をして、万事を急速に而も穏便に取計らってしまった。その旅館も
人気商売だし、三千子とてもムラサキのマダムとしての
人気商売だし、町医者だってまあ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
かしながら、このようにキメつけるのは残酷である。どんなに実質的に偉い政治家でも、
人気商売であるから、額面通りにいかない。ちょッとした悪評で、落選する危険は総理大....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
…」 「幇間?」と武士は不思議そうに、 「戯作者は幇間でござりましょうか?」 「
人気商売でげすからな。幇間で悪くば先ず芸人。……」 ツルリと京伝は頤を撫でる。....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
えしなければ、ということです。 ところが、ここにまた問題があります。俳優は専ら
人気商売だというのが常識になっていることです。 なるほど、人気というやつは、曲....
「女優の親」より 著者:岸田国士
気でない商売の部類にはいつているようだ。これがいけないのだ。客商売とか、水商売、
人気商売というような観念が、いまでも芝居の世界の一つの常識になつている。それに対....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
者五、六人とここへ来て、誰もがするように画舫に乗って、湖水のなかを乗りまわした。
人気商売であるから、船頭にも余分の祝儀をくれた。殊にそれが当時評判の高い李香であ....