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人目
「人目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に、感じるような心もちがする。
その翌日から、おれと弟とは、猪熊の沙金の家で、
人目を忍ぶ身になった。一度罪を犯したからは、正直に暮らすのも、あぶない世渡りをし....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
た時、どれほど私は今日《こんにち》の私を恥しく思ったでございましょう。私はまるで
人目を偸《ぬす》んで、大罪悪を働こうとしている悪漢のような気が致しました。いや、....
「春」より 著者:芥川竜之介
く》かのベンチも背中合せに並んでいた。けれどもそこに腰をかけるのは却《かえ》って
人目《ひとめ》に立ち兼ねなかった。
人目は?――彼等の前後には観覧人《かんらんにん....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ありません。もうかれこれ五日ばかり、いつも初更《しょこう》を過ぎさえすれば、必ず
人目に立たないように、そっと家々を窺《うかが》ったのです。勿論何のためだったかは....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
一
先頃|大殿様《おおとのさま》御一代中で、一番|
人目《ひとめ》を駭《おどろ》かせた、地獄変《じごくへん》の屏風《びょうぶ》の由来....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ょもう》した。甚太夫は竹刀《しない》を執《と》って、また三人の侍を打ち据えた。四
人目には家中の若侍に、新陰流《しんかげりゅう》の剣術を指南している瀬沼兵衛《せぬ....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
はこの時こう云う寄附には今後断然応ずまいと思った。
四人の客は五人になった。五
人目の客は年の若い仏蘭西《フランス》文学の研究者だった。自分はこの客と入れ違いに....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
の目をやる所を見ると、少くとも幾分かは僕自身にも関係を持ったことらしかった。僕は
人目には平然と巻煙草を銜《くわ》えていたものの、だんだん苛立《いらだ》たしさを感....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛《くも》の糸が、まるで
人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
休神下され度」でこじつけていっても、どうにもこうにも、いかなくなってきた。二、三
人目に僕の所へ来たおじいさんだったが、聞いてみると、なんでも小松川のなんとか病院....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
ちらを見返りながら、にやりと妙に笑って見せた。千枝子はそれを見た時には、あたりの
人目にも止まったほど、顔色《かおいろ》が変ってしまったそうだ。が、あいつが心を落....
「早春」より 著者:芥川竜之介
場所に定《さだ》められている。これは何も彼等の好みの病的だったためではない。ただ
人目《ひとめ》を避けるためにやむを得ずここを選んだのである。公園、カフェ、ステエ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にも、あの猿のような老婆だけは、静に片隅に蹲《うずくま》って、十六人の女たちの、
人目を憚《はばか》らない酔態に皮肉な流し目を送っていた。
二十七
夜《よ》....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
君《ひめぎみ》だけが、奈良《なら》の伯母御前《おばごぜ》の御住居《おすまい》に、
人目を忍んでいらっしゃる事、――そう云う御話をしている内に、わたしの眼にはいつの....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
やテエブルの少しもあたりの薔薇色の壁と調和を保っていないことだった。僕はもう一度
人目に見えない苦しみの中に落ちこむのを恐れ、銀貨を一枚投げ出すが早いか、※々この....