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人立
「人立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ぐに開きました。が、日本人が中へはいって見ると、そこには印度人の婆さんがたった一
人立っているばかり、もう支那人の女の子は、次の間へでも隠れたのか、影も形も見当り....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い上げられ、尚おその上に天眼通その他の能力を仕込まれて、ドーやらこちらの世界で一
人立ちができるようになったのでございます。これは前にものべた通り、決して私にのみ....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
鶴、などと大体凧の絵や字は定まっている。けれども『三国志』や『水滸伝』の人物の二
人立三
人立などの細かい絵になると、高く揚った場合、折角の絵も分らないから、それよ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
夫人は掻巻の裾に障って、爪尖からまた悚然とした。 けれどもその時、浜辺に一
人立っていて、なんだか怪しいものなぞは世にあるものとは思えないような、気丈夫な考....
「活人形」より 著者:泉鏡花
怪語を放つらんと覚えず全身|粟生てり。まして得三高田等は、驚き恐れつ怪しみて、一
人立ち、二
人立ち、次第に床の前へ進み、熟と人形を凝視つつ三人は少時茫然たり。 ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
や、止めませい。) と宗山が二階で喚いた。皺枯声が、風でぱっと耳に当ると、三四
人立騒ぐ女の中から、すっと美しく姿を抜いて、格子を開けた門口で、しっかり掴まる。....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
と赤い踵で踏んで抜けた二頭の鬼が、後から、前を引いて、ずしずしずしと小戻りして、
人立の薄さに、植込の常磐木の影もあらわな、夫人の前へ寄って来た。 赤鬼が最も著....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
当る……葬式の出たあとでも、お稲はその身の亡骸の、白い柩で行く状を、あの、門に一
人立って、さも恍惚と見送っているらしかった。 十九 女房は語続け....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
てて、うねって起きた。 (泥棒。) (どッ、泥棒。) と喚くや否や、狼のように
人立して、引包んで飛かかった。 (あれえ。) (阿魔ちょは、番小屋へかつげ。) ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
折帽も床に落ちた、夢中で引※る。 「革鞄に挟った。」 「どうしてな。」 と二三
人立掛ける。 窓へ、や、えんこらさ、と攀上った若いものがある。 駅夫の長い腕....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、滝の裏も覗きたし、何か前世の因縁で、めぐり逢う事もあろうか、と奥山の庚申塚に一
人立って、二十六夜の月の出を待った事さえあるんです。 トこの間――名も嬉しい常....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
乎《うすぼんやり》として灰色の隈《くま》が暗夜《やみ》に漾《ただよ》う、まばらな
人立《ひとだち》を前に控えて、大手前《おおてまえ》の土塀《どべい》の隅《すみ》に....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
、圧しますと開きました。くされて落ちたのでございます。塀の外に、散歩らしいのが一
人立っていたのでございます。その男が、烏の嘴から落しました奥様のその指環を、掌に....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
物こそ違え、気象は同一、黒旋風紋床の愛吉。酒は過している、懐にはふてている。殊に
人立の中のこと、凹まされた面は握拳へ凸になって顕われ、支うる者を三方へ振飛ばして....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
思われてなりませぬ。 さように思えば、ここに、絵図面をお展き下されて、貴女と二
人立って見ましたは、およそ天ヶ下の芸道の、秘密の巻もの、奥許しの折紙を、お授け下....