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「人立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
松吉はわざとらしく顔をしかめて見せた。 「その騒ぎで、両替屋の前は黒山のような人立ちで……」と、女房は入れ代って話した。「その店でも後で気が付いたのですが、十....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なんだか落ち着かないような顔をして後から付いて来た。歌女寿の家の前にはだんだんに人立ちが多くなっていた。 「ちょうど若い師匠の一周忌ですからね」 「きっとこんな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しいところでした。 前にも申す通り、六月末の夕方、その仲町通りの空屋敷の塀外に人立ちがした。というのは、そこに不思議なものを見付けたからで、何十匹という蛇がか....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
う、分けて近頃のさびれ方。仲の町でもこの大一座は目に立つ処へ、浅間、端近、戸外へ人立ちは、嬉しがらないのを知って、家の姉御が気を着けて、簾という処を、幕にした。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なことを話し出した。 「わたしが今、お湯の帰りに自身番の前を通ると、雨が降るのに人立ちがしているから、なんだろうと思って覗いてみると、隣り町のしん吉のおっかさん....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ている。それでも負けない気になって二言三言云い合っているうちに、周囲にはいよ/\人立ちがして来たので、おふくろの方でも焦れったくなって来た。 「お前さんのような....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。ニッポン、日本だぞ」 杉田二等水兵のはげしい権幕に恐れてか、中国人ボーイは一人立ち人立ちして、だんだん杉田の前に集ってきた。そしてぺちゃぺちゃしゃべっては....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
路一筋白くして、掛行燈の更けたかなたこなた、杖を支いた按摩も交って、ちらちらと人立ちする。 明治四十三(一九一〇)年一月....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い上げられ、尚おその上に天眼通その他の能力を仕込まれて、ドーやらこちらの世界で一人立ちができるようになったのでございます。これは前にものべた通り、決して私にのみ....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
羽子板の押絵のように思われて来るので御座いますよ。――御隠居様と小式部さんとが二人立ちで……。でも、笄の色が同しですと自然片方の小式部さんが引き立ちませんわ、あ....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
は日傘を持って出ました。伝馬町の大通りへ出て、ふと見ますと、会津屋の前には大勢の人立ちがしているので、何とはなしにはっとして、急いで店先へ駈けて行きますと、そこ....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
が――眉を剃ったあとの、薄青い、ほん色白の京の嫁御の半身像でして、日傘をもった一人立ちのものです。 私の母は、よく髪を結いに出かけたり、また女髪結がうちにまい....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
お客様。」 お母さんに肖てこれも敏捷い!……折から、店口の菊花の周囲へ七八人、人立ちのしたのをちらりと透すとともに、雪代が迅くも見てとった。 ――先生、先生....
迷信解」より 著者:井上円了
ころなれば、月もはや落ちて暗かりけるが、縁の端にだれとも知らず、白き物を着けたる人立ちいたり。この僧怪しみて熟視すれば、白装束の怪物少しく動きて歩み行くように見....
活人形」より 著者:泉鏡花
怪語を放つらんと覚えず全身|粟生てり。まして得三高田等は、驚き恐れつ怪しみて、一人立ち、二人立ち、次第に床の前へ進み、熟と人形を凝視つつ三人は少時茫然たり。 ....