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人群
「人群〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人群の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
蒸汽の汽笛だ。「来たな」と思うと胸は穏かでない。船階子の上り口には労働者が十四五
人群がって船の着くのを見守って居た。 私の好奇心は我慢し切れぬ程高まって、商売....
「露肆」より 著者:泉鏡花
、西洋の話じゃ、で、分るじゃろう。二円五十銭、可えか、諸君。」 と重なり合った
人群集の中に、足許の溝の縁に、馬乗提灯を動き出しそうに据えたばかり。店も何も無い....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
だろうと思つていると、またもや出会つた。お神楽の前の人混みで手品や漫才の櫓の下の
人群のなかで、また夜店の前で、この二組は不思議に何度も行き会つた。その度に、娘た....
「西航日録」より 著者:井上円了
。余もここに上陸し人車に駕して、市街および公園を遊覧するに、市街はシナ人および土
人群れを成し、その間に欧米人あり、インドおよび諸島の人民ありて、黄赤黒白の雑種を....
「海底大陸」より 著者:海野十三
如何なる武器も方法もなかった。重砲をもっていっても、爆弾をもっていっても、海底超
人群はびくともしないのであった。催涙液でさえ、今回襲来の海底超人にはさっぱり役に....
「火星探険」より 著者:海野十三
はじまった。 すると、そのききめは、すぐ現れた。墓石のように硬くなっていた火星
人群は、たちまち陽気に動きだした。手をふり足をあげ、重そうな頭を動かして、釜の中....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
すがに暗い気持ちになった。 たしかに手おくれに見える。このままでは、一同は、異
人群のために捕虜になるか、うち殺されるかのどっちかだ。 ああ、重大なる危機来る....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
? 一体、それはどんなことであったろうか。そしてそれは、今、月世界において、怪
人群のため捕虜になっている風間三郎少年や、木曾九万一少年の身の上と、どんな関係が....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ような怪異が彼等を待っていようなどとは、夢にも知らなかったのである。 櫟林は巨
人群像のように、逞しい枝を張り、生々した梢を大空の方にグッと伸ばしていた。膝を没....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
だが結局新吉の遠い記憶と眼前の実感は一致しなかった。新吉の頭は疲れて早くどこかの
人群のなだれに押されて行って、其処で見出して思わず抱き合ってしまう現実のカテリイ....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
の美味となりしは、水土よろしきゆえに最上のうなぎ出来て、三大都会にすぐれたる調理
人群居すれば、一天四海に比類あるべからず、われ六、七歳のころより好み食いて、八十....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
切られ、その内側に、長椅子と二、三脚の椅子|卓子が置かれてあった。隅の方へ行って
人群から遠ざかると、古くさい黴の匂いがプーンと鼻孔を衝いてくる。煖炉棚の上には埃....
「死者の書」より 著者:折口信夫
防ぎとめることが出来なくなって居た。 南家の郎女にも、そう言う妻覓ぎ人が――いや
人群が、とりまいて居た。唯、あの型ばかり取り残された石城の為に、何だか屋敷へ入る....
「濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
山非人の部落は、叡尊のこの施場から起ったものでなくして、前から既に存在していた非
人群集の場所を選んで、叡尊がここに施場を営んだのであった。そしてそのいわゆる非人....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
革命という一点なのだ。由井正雪の謀反事件も、天草島原の一揆事件も、その指導者は浪
人群だった。別木、林戸の騒擾事件から、農村に起こった百姓一揆の、指導者もおおかた....