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人質
「人質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
んじょう》するのだぞ。」
「はい、献上致します。」
「なおそのほかに貴様の子供を
人質《ひとじち》のためにさし出すのだぞ。」
「それも承知致しました。」
鬼の酋....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
出してしまったことから始めて、囲いもの時代に、情人と逃げ出して、旦那におふくろを
人質にとられた話や、もはや抱妓《かかえっこ》の二人三人も置くような看板ぬしになっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
換えに来る者もなかった。半七はたまりかねて手を鳴らしたが、誰も返事をしなかった。
人質《ひとじち》に取られたような形で、半七はただ詰まらなく坐っていた。 出入り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
諸大名の妻女も帰国勝手たるべしということになったので、どこの藩でも喜んだ。一種の
人質となって多年江戸に住んでいることを余儀なくされた諸大名の奥方や子息たちは、わ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
兼は女中たちの湯帰りをおどした。 それでどうにかこうにか次郎兵衛だけはこっちへ
人質に取ってしまったが、女房と番頭とが案外にしっかりしていて、かれらの目的も容易....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
石入りの指輪を嬉しそうにいじくっていた。 「どうしたんだ?」僕はいぶかった。 「
人質に取ってやったの」 「おッ母さんの手紙がばれたんだろう――?」 「いいえ、ゆ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に、かれらは初めて囲みを解いて、その稲を盛んに食いはじめた。かれらは太守の一行を
人質にして、自分たちの食料を強要したのである。 野獣の智、まことに及ぶべからず....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
にその秘密を探り出したいと思います。わたくしが逃げ隠れをしない証拠には、妻や子を
人質に残してまいります」 中丞もそれを許したので、役人は再びかの古廟の付近へ行....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
どは、この艇の操縦室へ行く番となった。さあ案内しろ」 「私がか」 「そうだ。君は
人質なんだ」 ダン艇長はいわれる通りにするほかはなかった。 艇内にある武器は....
「一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
駄目だぞォ」 「課長、ひでえや。もう一人のあっし達はどうなるんで……」 「あれは
人質にとっといて今日から下水掃除をさせる。辛けりゃ早く金を納めて引取りに来い」....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
片袖を頬に当てて、取戻そうと差出す手から、ついと、あとじさりに離れた客は、手拭を
人質のごとく、しかと取って、 「気味の悪かったのは只今でしたな――この夜ふけに、....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
んだ。四川、広東は? ちょうど今戦争の真最中だし、山東、河南の方は? おお土匪が
人質を浚ってゆく。もし
人質に取られたら、幸福な家庭はすぐに不幸な家庭になってしま....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
播磨は何か迷惑らしい顔をして畳の目を眺めていた。苦手の伯母と差向いの場合に、彼が
人質に取られたような寂しい顔をして黙っているのは例の癖であるが、取分けて迷惑らし....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
れて、水色縮緬の扱帯の端、ややずり下った風情さえ、杖には似合わないだけ、あたかも
人質に取られた形――可哀や、お主の身がわりに、恋の重荷でへし折れよう。 「真個に....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
異国か。」と、采女は再び彼を睨めた。「但しは我々をあざむいて、中国九州の敵どもへ
人質に渡そうとか。」 「なんの、あざむくことではござらぬ。ともかくわたくしの御案....