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「人馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
》に駈けて行った。どこまで駈けても、高粱は尽きる容子《ようす》もなく茂っている。人馬の声や軍刀の斬り合う音は、もういつの間にか消えてしまった。日の光も秋は、遼東....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
然として小さな体を現した。入口の前には一年生であろう、子供のような生徒が六七人、人馬《ひとうま》か何かして遊んでいたが、先生の姿を見ると、これは皆先を争って、丁....
或る女」より 著者:有島武郎
は宙を飛んだ。そして車が、鶴屋《つるや》という町のかどの宿屋を曲がって、いつでも人馬の群がるあの共同井戸のあたりを駆けぬける時、停車場の入り口の大戸をしめようと....
星座」より 著者:有島武郎
サン・キュロット、ギヨティン、そのギヨティンの形になぞらえて造った玩具や菓子、囚人馬車、護民兵の行進……それが興奮した西山の頭の中で跳《は》ね躍っていた。いっし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《はげ》しい所であるから、十七年目の安政二年には所々におびただしい破損が出来て、人馬の通行に危険を感じるようになったので、ことしの三月から修繕工事に取りかかるこ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
方の岐入と、湖水の唯一の吐け口のS川の根元とを分っている。S川には汽車の鉄橋と、人馬の渡る木造の橋とが重なり合って眺められ、汽車が煙を吐きながら鉄橋を通ると、す....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
検査に来て、家の前の井戸に木札を立てて行くところであった。見ると、その札に曰く「人馬飲ムベカラズ」 人間は勿論、馬にも飲ませるなと云うのである。これは大変だと....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
およそ二三百人、修禅寺の御座所へ夜討ちをかけましたぞ。 夜叉王 にわかにきこゆる人馬の物音は、何事かと思うたに、修禅寺へ夜討ちとは……。平家の残党か、鎌倉の討手....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
らせた。 ある夜のことである。山の上に火が起って、烟りや火焔が高く舞いあがり、人馬の物音や甲冑のひびきが物騒がしくきこえたので、さては賊軍が押し寄せて来たに相....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
。 五 その翌日、すなわち三日の朝には、十五、六人の仲間? と一緒に、大きな囚人馬車二台でラ・サンテ監獄に送られた。 ラ・サンテ監獄は、未決監であるとともに....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
水夫が船べりへ出て来て、海の洞にひらめく水神の淡紅色の肩か、楯を持った酔いどれの人馬が波を蹴立てて船と競走するのかを見るような気で、透き通る紺碧の海を熱心に見つ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
と思い直して見い。」 言いかけて、彼はにわかに耳を傾けた。門前をさわがしてゆく人馬の音が、まだ吹きやまない木枯しの中にひびいたかと思うと、家来の一人があわただ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
空が、気味の悪いほどに澄切っているのは、軈て真黒な雪雲を運び出す先触と知られた。人馬の交通を遮るべき厳寒の時節も漸く迫り来るのである。 「今から丁度五十年前の事....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
夏の中空に浮いて悠揚と弓なりに架かり、擬宝珠と擬宝珠との欄干の上に忙しく往来する人馬の姿はどれ一つとして生活に自信を持ち、確とした目的に向って勇ましく闘いつつあ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
日が来たのをよい機会に彼等は暇を取り揃って寺を出て行った。 慧鶴は寺にたった一人馬翁と一緒に残った。破れ寺ではあるが一通りの勤めはしなければならないし、掃除か....