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「仆す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仆すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
やがてかの女があらわれて、ゆうべと同じように舞い始めたので、彼は飛びかかって打ち仆すと、女は一枚の白金に変りました。さらにその辺の土を掘り返すと、数千両の銀が発....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
らにも施すと、いずれも奪い合って飲みましたが、それは怖ろしい毒薬で、怪鳥や猛獣を仆すために矢鏃に塗るものでありました。その毒薬を飲んだのですから堪まりません。か....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
があらわれる。出没常ならず、どこに潜んでいるか判らないが、暗闇で出逢うと人を突き仆すのである。そのからだの堅きこと鉄石のごとくであると、家内の者が語った。 劉....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
る。三回も出られると笑い度くなる。お岩さん不量見は止めたがいい。四回も出ると張り仆すぜ。五回出ようものなら見世物にする。……」 クルリと板戸を翻えした。 一....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
き廻すと、伊賀之助の首級を抱きかかえた。 と、スルスルと廻廊へ出た。 襖を蹴仆す音がして、踏み込んで来たのは捕方である。 チラリと振り返った奇怪な乞食、ヒ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
った。 「邪魔するか汝!」と怒った多四郎が、刀を抜いた瞬間に、乞食を背後から斬り仆す者があった。 それは秋山要介であった。 「や、貴殿は秋山氏!」 「おおこれ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
代の声は通らなかった。 六人の部下達は、追っかけ追っかけ、馳せ違い行き違い切り仆す。 いよいよ周章《あわ》てた一ツ橋勢、館へ逃げ込もうとしたのだろう、分かれ....
恋と十手と巾着切」より 著者:山中貞雄
から尚もしつこく遊び人が追い廻して出て来る。 その胸倉を三次が掴んで其処へ押し仆す。 転がった遊び人。 三次が浪人に、 T「此奴は巾着切ですよ」 と言う....
大岡越前」より 著者:吉川英治
、物蔭を離れた荒編笠の人影が、横から彼にぶつかッて行き、どんと、兇器か拳で、突き仆すと、そのまま風のように――賊の影とは反対な方へ――走り去っていたのだった。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
いま曹操を討つのを、誰が無名のいくさと誹りましょうぞ。武王の紂を討ち、越王の呉を仆す、すべて時あって、変に応じたものです。いたずらに安泰をねがって、世のうごきを....
三国志」より 著者:吉川英治
りもはるかに実力もなければ年歯も若い曹操に倒されました」 「弱者がかえって強者を仆す。これは、天の時でしょうか。地の利にありましょうか」 「人の力――思想、経営....
三国志」より 著者:吉川英治
乱箭毒弩もものかは雲霞のごとき大軍が一度に寄せたので、その勢力の千分の一も射仆すことはできなかった。見る間に土嚢の山は数ヵ所に積まれた。その土嚢の数も兵員の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
め口よりも、鎌倉の腹部に近い。だが、幕府もここへは大兵を当て、道には樹林を伐ッて仆すなどの万策もとっているので、ひよどり越えの故智にも出られず、 「さて?」と、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たと、今も古老の話でござる。しかし、当時四囲の情勢では、まだ若い幕府の力、所詮、仆すことはできませぬ。恨みをのんだ家中ども、ここにすさまじく結束して、江戸より奥....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
な型はとるが、いざとなるとどこか気力の入らぬものでな」 「ま、おれが先手に斬って仆すから、しばらく形勢を眺めていてくれ」 と、孫兵衛にも、今夜は十二分な確信が....