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今にして
「今にして〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今にしての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
迫すべくもあらざりき。しこうして到着地なる石動《いするぎ》はもはや間近になれり。
今にして一躍のもとに乗り越さずんば、ついに失敗《おくれ》を取らざるを得ざるべきな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
とは、隣り合せに住んでいるのではないか。偽善者なる私は屡※他人を偽善者と呼んだ。
今にして私はそれを悲しく思う。何故に私は人と人との距てをこんなに大きくしようとは....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
持つ電子のプラスとマイナスの配合の問題として考え度いと、あなたは仰有いましたね。
今にして思えば、僕等は僕等の性のおつき合いをあの解釈にあてはめ度いと思うのです。....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
胎内に蔓り育ったことはわれながら愕くべきほどだった。それはわたくしの意識をして、
今にして夢より覚めたように感ぜしめ、また、新なる夢に入るもののようにも感ぜしめた....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
霊貨物列車の怪談がうまれ、この鉄道は、いよいよ乗客の数が減っていったのであった。
今にして思えば、その二本の貨物列車こそは、ベン隧道の下に、地下工場をつくる材料を....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
自分たちの頭脳は、あのような現実が存在し得ることを感受するの能力がなかったのだ。
今にしてはっきり知る、自分たちの頭脳は揃いも揃って発育不全であったことを! ああ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
元気のいい声で笑った。 「まあ、しっかり頼むよ。児玉君」 「うん、心配はいらん。
今にして僕は気がついたんだが、日本人は、科学者や技術者にうってつけの国民性を持っ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
と思って、最後の悲しみを味わっただけさ」
と、先生は、涙をはらい、
「しかし、
今にして私たちは、日頃勉強の足りなかったことを、しみじみと感じる。地球の上に、蟻....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
雨の甲板や船橋のうえについていた大きな丸味のある血痕は、この黒豹の足跡だったと、
今にして二人は思いあたったことである。全く恐ろしいことだ。航海中の汽船の中に、猛....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
引返す。 鯉七 (ばくばくと口を開けて、はっと溜息し)ああ、人間が旱の切なさを、
今にして思当った。某が水離れしたと同然と見える。……おお、大蟹、今ほどはお助け嬉....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
は芸術国日本の真価を傷つけこそすれ、決して真の意味の政治に役立つはずはないと私は
今にして確信する。 くり返していう。芸術は何よりもまずその民族のものである。し....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
日の俺 金がない事が気にはなっても 無自覚と祖先罵ったそのことを 済まなかったと
今にして思う 仕方なくあきらめるんだと云う心 哀れアイヌを亡ぼした心 「強いもの....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
はないか、予約されていたとするならば即ちこれこそ予約されていたのである。 噫々
今にして花火線香の玉を消したことは返す返すも残念でならない。も五年でも、十年でも....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
うな空想ではなかったので、牢乎として抜くべからざる多年の根強い根柢があったのだ。
今にして思うと、三十年前に人種競争の止むを得ざる結果から欧亜の大衝突の当然来るべ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ており、さらには、独占禁止法の改正によって財閥の復活を意図しておるのであります。
今にしてこの反動逆コースを阻止せんとするにあらざれば、日本は財閥独裁、警察国家を....