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「今や遅しと〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今や遅しとの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
初夏の風に翻し、兜の前立物を日に輝かし、隊伍を整え陣を堅めて、攻撃の令の下るのを今や遅しと待っていた。 が、攻撃の令は容易に下らないのみか、御所の使番が三騎、....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ま身を飜えすようにして門前につづく広い空地の片隅に佇んで細田氏の姿の現われるのを今や遅しと待っていました。 果して間もなく細田氏は例の力なさそうな姿を門前にあ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
えたまま、時計の針が十一時……宿直の医員や、当番の小使が寝静まる時刻を指すのを、今や遅しと待っていた者である事が、現在の状況に依って、お察し出来る事と思いますが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、そうして自分は一心に幕の表を眺めて、拍子木の音を待っておりました。 幕あきを今や遅しと待ちかねているものは、米友一人ではありません。 その時分、第一の拍子....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
庚申塚へ掛って来る。此方は先刻より原丹治が刀の柄を握りつめ、裏と表の目釘を濡して今や遅しと待設けて居る所へ、通り掛りまするという、此の結局は何う相成りますか、こ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
月の焼けつくような南仏の太陽の直射をものともせず、脂汗を流し、足踏み鳴らして開演今や遅しと控えたり。 定刻となれば、砂場の穹門《アルク》から陽気な軍楽隊《ファ....