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「今以て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今以ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
で、実をいうと何方《どちら》でも可いから決めて了ったらと思うけれど何という因果か今以て唯《た》った一つ、不思議な願を持ているからそのために何方《どちら》とも得決....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
してあったのさ。もしこの雑誌を調べ洩《も》らしていたとしたら、ゼムリヤ号の正体は今以て不明だったろう。いや、実にきわどいところだったよ」 そういってホーテンス....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
中にこれほど惨酷な他殺方法を考え出した男が他にありましょうか。――残念なことに、今以て彼の行方が知れないのです。しかし私は草を起し、土をわけてもあの殺人鬼を探し....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
していまして、本課は全力をあげて約四十日間|捜索《そうさく》を継続していますが、今以て何の手懸りもない――迷宮《めいきゅう》入り事件くさいですがね、これは……、....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
例である。病人に食慾が出てきたようなものだといえばそれまでであるが、鶴見はそれを今以て不思議がっている。 国足らす畑つ益芋(ますうも)、 をしげなく早めに掘りて....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
原元子の雲である、これが宛も火の浪の様に見える。 八十七 しかして大気の熱度は、今以て我慢の出来ぬほどに強い。けれど地下の暗室で殆ど蒸せ死ぬる様な熱さを耐えて来....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
の再建と云ってもよい程にまで、根本的修理の加えられたものであったろう事を、余輩は今以て信じているのである。 それはともかくもとして、法隆寺が再建であるか、非再....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
た。その後我が学界における考古学人類学方面の研究は大そう進歩しては参りましたが、今以てその方面の学者達の間には、石器時代人は蝦夷とは違うとか、アイヌとも違うとか....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
部落です。これはもと万歳・春駒などをやっていたものでありまして、その流れを汲んで今以て全村の八九割までが俳優であります。生活程度も向上してもはや特殊部落として改....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
から脅して、細民部落ともなし密集部落ともなした後にも、なお旧来の習慣は存続して、今以て彼らは甚大の増加率を示しているのである。....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
される。別項島尾正一君の報告によれば、越中氷見のトウナイと称する部落民の如きは、今以て産婆の仕事を実行しているそうである。彼らははばと呼ばれて、産婦の宅に聘せら....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
述べて、言語学者諸賢の高批を煩わしたいと思うたまでである。かく云えばとて自分は、今以て餌取説を棄つるまでの自信があるのではない。ただ疑い思うところを陳ねてさらに....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
あったが、一般にはなお後までも普通民との間に或る間隔が認められて、地方によっては今以てこれを特殊部落の如く区別し、或いは隣村のものと絶対に縁組を通ぜず、或いは呼....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
云っても、その実全く一種の遊芸になっている。また壬生の大念仏と称する無言狂言が、今以て念仏狂言と云っているところに、これもその起原が窺われる。このほか田楽、猿楽....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
の様にそこへ行った。何でも私の家の家作であって、南谷という人がやっていた。南谷は今以て人形町に店があるがきんちゃくが漆くいで入口に出来ていたので俗にきんちゃくの....