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「今夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カルメン」より 著者:芥川竜之介
訣《わけ》には行かなかった。 「カルメンは僕等のイイナじゃないね。」 「イイナは今夜は休みだそうだ。その原因がまた頗《すこぶ》るロマンティックでね。――」 「ど....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
わりは僕一人さ。――」 「なるほど、これは珍談だな。――おい、君、こうなればもう今夜の会費は、そっくり君に持って貰《もら》うぜ。」 飯沼は大きい魚翅《イウツウ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
るまい。さればわしもこの上なお、叱り懲《こら》そうとは思うて居ぬ。やがてはまた、今夜の闇討が縁となって、その方どもが摩利の御教《みおしえ》に帰依し奉る時も参るで....
」より 著者:芥川竜之介
?――婆や?――奥さんにちょいと出て貰ってくれ。――房子《ふさこ》かい?――私は今夜東京へ行くからね、――ああ、向うへ泊って来る。――帰れないか?――とても汽車....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《しがい》を争っていた。が、勇ましい大天使は勿論、吼《たけ》り立った悪魔さえも、今夜は朧《おぼろ》げな光の加減か、妙にふだんよりは優美に見えた。それはまた事によ....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
相手を殺すのだったら、己は何もこんなに心苦しい思いをしなくてもすんだのだが、己は今夜、己の憎んでいない男を殺さなければならない。 己はあの男を以前から見知って....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
おっとせい》と云うやつは、牡同志が牝を取り合うと、――そうそう膃肭獣の話よりゃ、今夜は一つお蓮さんに、昔のなりを見せて貰《もら》うんだった。どうです? お蓮さん....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
を知らなかったのである。 桂月香と彼女の兄とはもう一度そこへ帰って来た。彼女は今夜は繍《ぬい》のある裳《もすそ》に竈《かまど》の灰を包んでいた。彼女の兄も、―....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
》にする気味もないではなかった。「あした、Sさんに見て頂《いただ》けよ」「ええ、今夜見て頂こうと思ったんですけれども」自分は子供の泣きやんだ後《のち》、もとのよ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
焚《た》き物《もの》」の火が燃えさかっている。それから煤《すす》びた壁の上にも、今夜だけは十字架《くるす》が祭ってある。最後に後ろの牛小屋へ行けば、ぜすす様の産....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な。それでも痛みが強いようなら、戸沢さんにお願いして、注射でもして頂くとか、――今夜はまだ中々痛むでしょう。どの病気でも楽じゃないが、この病気は殊に苦しいですか....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
部を成している。 或自警団員の言葉 さあ、自警の部署に就《つ》こう。今夜は星も木木の梢《こずえ》に涼しい光を放っている。微風もそろそろ通い出したらし....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
の俊寛じゃ。お前は便船のあり次第、早速《さっそく》都へ帰るが好《よ》い。その代り今夜は姫への土産《みやげ》に、おれの島住いがどんなだったか、それをお前に話して聞....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
恵蓮はいくら叱られても、じっと俯向いたまま黙っていました。 「よくお聞きよ。今夜は久しぶりにアグニの神へ、御伺いを立てるんだからね、そのつもりでいるんだよ」....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
も立たぬこと、期待の空なこと、――そんなことはもう諦念めてしまっていた。ところが今夜、晩の食事を了ってからのことである。私にはすべてのものの無のうえに新たな一と....