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今宵
「今宵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今宵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
不審らしく眉をよせた。
「道命《どうみょう》が法華経を読み奉るのは、常の事じゃ。
今宵に限った事ではない。」
「されば。」
道祖神《さえのかみ》は、ちょいと語を....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ながら、度胸は据えたぞ。――持って来い、蕎麦二|膳。で、昨夜の饂飩は暗討ちだ――
今宵の蕎麦は望むところだ。――旅のあわれを味わおうと、硝子張りの旅館一二軒を、わ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
みに逢うて、新しき生命を授けられ、梅花月光の契りを再びする事になったのはおとよの
今宵だ。感きわまって泣くくらいのことではない。 おとよはただもう泣くばかりであ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
以来、二重三重までは格別、当お天守五重までは、生あるものの参った例はありませぬ。
今宵、大殿の仰せに依って、私、見届けに参りました。 夫人 それだけの事か。 図書....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
いに出ました節は、御殿、お腰元衆、いずれも不断の服装でおいでなされた。その節は、
今宵、あの美女がこれへ輿入の儀はまだ極らなんだ。じたい人間は決断が遅いに因ってな....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
心も悩乱した、姥、許して! 姥 成程、お気が乱れましたな。朝六つ暮六つただ一度、
今宵この丑満一つも、人間が怠れば、その時こそは瞬く間も待ちませぬ。お前様を、この....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
っていった。 しかしこの事件について何かの疑いをかけられている杉田二等水兵は、
今宵はたして安らかに眠れるであろうか。 練習艦明石にとって、記録すべき不祥事件....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
って、さめざめと泣いていた。 八 ここの湯の廓は柳がいい。分けて
今宵は月夜である。五株、六株、七株、すらすらと立ち長く靡いて、しっとりと、見附を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
件の一つであろう。……あわれ、この少き人の、聞くがごとくんば連日の疲労もさこそ、
今宵は友として我ここに在るがため、幾分の安心を得て現なく寝入ったのであろう、と小....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
よ、」「すがわらよ。」など伯母上、余所の客など声々に云うが襖漏れて聞ゆる時なり。
今宵もまたしかならむ、と戸に耳を附けて聞くに、ただ寂然としたれば、可し、また抜足....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
す所へ着くというその夜は誰も安心して必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば、
今宵こそ大事なれとその胴巻を締めたまま臥しながらもなお幾度か目さむる度に探りたり....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
とより起居に念仏を唱える者さえある、船で題目を念ずるに仔細は無かろう。 されば
今宵も例に依って、船の舳を乗返した。 腰を捻って、艪柄を取って、一ツおすと、岸....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の少年|粂之助、新に弟子になって、桃妖と称したのに対しての吟らしい。 湯のわかれ
今宵は肌の寒からむ 芭蕉 おなじく桃妖に与えたものである。芭蕉さん……性的....
「活人形」より 著者:泉鏡花
び、涙に暮れていたりし折から、かの八蔵に見とがめられぬ。それのみならず妹お藤を、
今宵高田に娶すよしかねて得三に聞いたれば、こもまた心懸りなり、一度家に立返りて何....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
気をさとる。) アフリカの潮風あらき海の上も、月の光りはかはらざりけり すみ渡る
今宵の月に照されて、黒奴の家も賑ひにけり 南アフリカは、イギリス領に属するもの....