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「今少し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今少しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
う》して白い波、蒼《あお》い波を思い浮べると、もう番神堂が目に浮んでくる。去年は今少し後であった。秋の初め、そうだ八月の下旬、浜菊の咲いてる時であった。 お繁....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ですから、この景色のよい所で少し休んで行きましょう」 「こんなにおそくなるなら、今少し急げばよかったに。家の人達にきっと何とか言われる。政夫さん、私はそれが心配....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
しかしそのあまりにもいかのごとき扁平さには厭気がさしている。 せめて自分の子は今少し立派な顔であれと願つたが、せつかくながら私の子は私の悪いところをことごとく....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いわれて、おとよさんはいやいや帰ってきた。父の言うとおり財産のないだけで、清六が今少し男子らしければ、おとよさんも気をもむのではない。そういう境遇のところへ、隣....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
わらぬヒョロ長い細田弓之助氏がこっちへセカセカと歩いて来るではありませんか。私は今少しで大きな声を立てるところでした。驚いたことに細田氏はすっかり痩せてしまって....
空中墳墓」より 著者:海野十三
もりなのでしょう。会社では火星航路を開くためだったと言っていますが」 「そいつは今少したってみないと一寸わからない。――根賀地。今日は決っしてピストルを手離しち....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
運動の上で要る金があればいつでも送る、とも約束した。が、いよいよ僕が帰る時には、今少し都合が悪いからというので、金は二千円しか受取らなかった。 帰るとすぐ、僕....
南地心中」より 著者:泉鏡花
事もある。……何々の思が遂げたいよって、貴方二人に類似りたさに、同じ蛇を預った。今少し、身に附けていたいよって、こうしておいておくれやす。 貴方、結ぶの神やな....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
夕食前の小半時、巴里のキャフェのテラスは特別に混雑する。一日の仕事が一段落ついて、今少しすれば食欲|三昧の時が来る。それまでに心身の緊張をほぐし、徐ろに食欲に呼び....
あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
極めて普通な話ばかり出るので、少し専門的な話をして見ようと思い、始めたところが「今少し頭が悪いから」というので刎ねられました(笑声)。 私はその友達から原稿を....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
弦斎などの食道楽というふうには衛生問題もあり経済問題もあるらしいが、予の希望は、今少しく高き精神を以て研究せられたく思うのである。 予の屡繰返す如く、欧人の晩食....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
「さようさ。」と博士は四辺を見廻していたが、 「とにかくこの山を向側に越して、今少し行って見よう。」 と、その紀念碑の裏に廻った。こちらは足の掛りもないほど急....
迷信解」より 著者:井上円了
ない。 この四とおりの種類のうちにて偽怪、誤怪が最も多いから、この二種につきて今少しく述べておきたいと思う。偽怪には人の談話の癖として、虚言、大言を吐きて人の....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
て山本伯の九牛一毛なりとも功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し鉄面皮であったなら、恐らく二葉亭は二葉亭四迷だけで一生を終らなかったであろ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
最も陰性的傾向であったのは政治的関係より生じた不健全なる軍制に在ったのであるが、今少しくこれにつき観察して見よう。 1、傭兵制度 十八世紀の戦争は結局君主が....