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今戸
「今戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わたくしも少し案外に思ったんです。そこで、見え隠れに又その後を尾けて行くと、女は
今戸橋を渡って、八幡さまの先を曲がって、称福寺という寺の近所の小じんまりした二階....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「親分、ひと通りは調べて来ました。娘と駈け落ちした奴は良次郎といって、宿は浅草の
今戸《いまど》だそうです。年は二十二で小面《こづら》ののっぺりした野郎で、後家さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うちでも、雷死は検視をしないことになっているので、お朝の死骸はあくる日のゆう方、
今戸の菩提寺へ送られて式のごとく葬られた。 落雷で震死するのはさのみ珍らしいこ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
、なぶり殺しにあわされるんだ!」 それは何んとも言えなかった。 一体お由は、
今戸町に店を持っている相当手広い牛肉店|加藤吉蔵の妾兼女房なのであった。が、悪い....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
でございます。お疑いならば日暮里の火葬場へお尋ね下さい。それから画伯の骨を埋めた
今戸の瑞光寺へお聞き合わせ下さい。しかし何故、奥様はそんなことをおっしゃるのです....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の粋な鼻緒は断然この花川戸でできるものに限られていた。鼻緒の下請負は、同じ区内の
今戸とか橋場あたりの隣町の、夥しい家庭工場で、芯を固めたり、麻縄を通したり、その....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
かは、非常に心配して居て下さいました」 「西郷さんのお家とご家族は?」 「浅草の
今戸です。まだお独身で、下宿していらっしゃいます。しかし西郷さんは、立派な方でご....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
拘らず母を救い出し得ず、そのままとなった由。 ◯大正震災のときは、それでもかなり
今戸の川ぷちに家が残ったものだ。今度は完全に焼けてしまった。痔の神様ももちろんな....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
―京、伏見、奈良、博多、伊勢、秋田、山形など、どなたも御存知のものばかりで、例の
今戸焼もたくさんあります。シナ、シャム、インド、イギリス、フランスなども少しばか....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
かり始めるのは不安心で、士族の商法という生きた手本がたくさんありますから、田町と
今戸辺に五、六軒の家作があるのを頼りに、小体のしもた家暮らしをすることになりまし....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
でいる向島一帯の土地は、昔は石が少かったそうである。それと反対に向河岸の橋場から
今戸辺には、石浜という名が残っている位に石が多かった。で、江戸もずっと以前の事で....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
りし由良之助だぜ。」 「そうでしょうねえ。」と、お熊はまじめでうなずいた。「実は
今戸の方へ行って断られたんですよ。」 「そうだろう。今頃どこへ行っても売切れさ。....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
と思えばそれでもようござんす。それから○い顔にして、□い胴にして△に坐っている、
今戸焼の姉様だと思えばそれでも可うございます、袴を穿いた殿様だと思えばそれでも可....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
銅牌は今でも蓮杖の家に残ってるはずだが、これも多分地震でどうかしてしまったろう。
今戸の大河内家には椿岳に似つかわしい奇妙な大作があった。大河内家の先代|輝音侯と....
「娘」より 著者:岡本かの子
ら咲き誇っている。室子が、毎年見る墨水の春ではあるが、今年はまた、鮮かだと思う。
今戸橋、東詰の空の霞の中へ、玉子の黄身をこめたような朝日が、これから燃えようとし....