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今風
「今風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
国家の干城たる軍人も居ないこの島。この島に生れてこの島に死し、死してはあの、そら
今風が鳴っている山陰の静かな墓場に眠る人々の仲間入りして、この島の土となりたいば....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
んでした」と鼻の頭へ汗をかいたまま御辞儀をする。「いえ、今来たばかりなんですよ。
今風呂場で御三《おさん》に水を掛けて貰ってね。ようやく生き帰ったところで――どう....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
風俗観の、単に専門家風な学術的な仕上げにしか過ぎないのである。 三 私は
今風俗に就いて、内容的に社会科学的分析をするだけの準備がないし、又その場合でもな....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
には第一医者に相談しなければなるまい。
初江が一人になつているはずだが、初江は
今風呂場にいる。若いお嬢さんの裸体姿の側に行くなんてことは思いもよらぬ事である。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
見蛇楽《けんじゃらく》で、好んで蛇を食う西国人が蛇を得て悦ぶ姿を摸したという。古
今風俗の違いもあるべきが、支那より西に当って蛇を食う民を捜すと、『聖書』に爬虫類....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
われ、井中火ありて天に燭《しょく》す。南詔以て妖となし、これを塞《ふさ》がしむ。
今風雲雷雨壇をその上に建つ(『大清一統志』三二二)。誠に以て面妖な談《はなし》だ....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
十 彼の洋服打扮の人がスッと這入って来ました時には、桑原治平も驚きました。丁度
今風呂に這入って来ましたお文と云う女中が、湯から上って来て此の体を見て恟り致し、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さんが三ヵ月に亙る岩手と北海道の絵の旅からかえって来て、きのうから泊っています。
今風呂に入っている。私は二階。 雨がひどく一しきり降ってやんで虫の声がしている....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
からお察し下さい。半月はかきものがたまって居りましたから。
もしかしたら、
今風呂屋に働いているという女の子がひさの後へ来るかもしれません。私はそういうとこ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のお手紙、羽織今日着いた以下数行何となし汗ばむような気もちで拝見しました。わたし
今風邪気味ですから、どうかあまり汗ばませないでね。くしゃみになって風邪がこうじま....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
骨のおれる気がした。見渡す限り、そして上の方へ登れば登るほど、松林の海で、それも
今風をうけて見渡すかぎり一様に横様になびいている。その一列一体の姿勢には、それが....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
知勝は旧の大広間を廃して、二三人づれの客のために小室を多く設けたるを以てすなわち
今風のハイカラ連に持てはやされ衰微の厄を免れて繁昌をつづけたものだといわれたが、....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
るのに――」 「時代ばなれしただけじゃつまらないわ」 「なあに、ミスチックな美を
今風に活かせばいいじゃないの。西洋の美人の写真なんかに幾らでもそんなのがあるじゃ....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
のでも、様々変った女風俗があります。 帝展に限らず展覧会の女風俗画は、ほとんど
今風のものが多かったのですから、私の描くようなものは流行不流行は別として、また幾....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
袖の香ぞする これがみな四季の部の歌だということは驚くべきことで、それだけに新古
今風だといえるのである。これらの歌の特色は、一言でいえば物語的だという点にあると....