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「仏縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仏縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
されたことがあった。その時お釈迦様はその遊女を尼にしてしまわれたという話もある。仏縁というものは不思議なものだ。その遊女のためにも考えてやらねばならない。唯円と....
十二支考」より 著者:南方熊楠
との小麿となったとあれば、白犬も吉兆と限らなんだのだ。後世に至っては、白犬は多く仏縁ありまた吉祥のものとされて居る。例せば道長公が道満法師に詛《のろ》われた時、....
連環記」より 著者:幸田露伴
何様なったかは伝わって居らぬが、恐らくは当時の有識階級の女子であったから、多分は仏縁に引かれて化度されたでもあったろう。 寂照は寂心恵心の間に挟まり、其他の碩....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
近に知り、それがまた故渡辺海旭先生と深い因縁のあることも分って、いまさらのように仏縁の尊さをしみじみと思うのであります。昔私が母から聞かされたように、あなた方も....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
天するよりも、永遠の輪廻の途を輾転するのが順当だと思っているのである。迷妄の中で仏縁にあずかりたいのである。地上の夢の深刻さは味いつくし難いものがある。初はあろ....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
い」 フサは眠るつもりになったらしく、うむとうなずいた。つくづくと見ていると、仏縁でもありそうな清浄な顔だちで、いやがらせをするような人柄とも思えない。やはり....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
…わしがここへ坐りこんでから、今日がちょうど二十一日目の満願の日。……これもみな仏縁、軽いことではござない」 老僧は、クヮッと眼を見ひらくと、まじろぎもせずに....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
冠っているのであるがこの観音様はあぶないところを私がお扶けしたのだ。これも何かの仏縁であろうと思うことである。 さて、師匠の所有の四体の観音は、その後どうなっ....
獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
の獅子舞を取り込み、それを民俗芸術化して豊斎念仏にまで用いているのも、獅子が元々仏縁に関係が深かったためである。なお豊斎念仏にて行う獅子踊についても、記したいこ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。計らずもわしはゆうべ、おまえの父、青木丹左衛門にここで出会うたのじゃ。いかなる仏縁やら、すぐその後で子のおぬしにまた会おうとは。……丹左の行く先はわしが知辺の....
特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
して、仏者から嫌われ、ことに仏臭を帯びた神道者流から甚だしく忌まれた結果、自然と仏縁にも遠かったのを、幸いに真宗の布教によって救われて、始めて極楽往生の有難いこ....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
もちろん「霊異記」には、永興禅師が熊野の海辺人を教化した話もあって、一部ではその仏縁も認められていたのであったが、一般にはなお後までも普通民との間に或る間隔が認....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
如く心は屠児の如し」と言われた濫僧、すなわち河原の者、坂の者、散所の者等は、自然仏縁に遠いものとならざるをえぬ。彼らは自身法師であっても、如法の僧徒の方からは、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
生の岐れ路というと、かならず、あんたの前に、わしが現われる」 「まことに、有難い仏縁です」と、越前守も微笑して、 「一度ならず二度までも。……きっと、三度目には....