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仔犬
「仔犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仔犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「逆行」より 著者:太宰治
生れだ。よすぎる男を思って苦労している。薔薇《ばら》の花が好きだ。君の家の犬は、
仔犬《こいぬ》を産んだ。
仔犬の数は六。ことごとく当ったのである。かの痩《や》せた....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
狼は山で食うべきものが得られなかった。そこで、すきに乗じて、村落を襲い、鶏や
仔犬や、豚をさらって行くのであった。彼等は群をなして、わめきながら、行くさきにあ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
やって来た」 満腹するとすっかり子供に返ってしまって、誰とでもじゃれて遊びたい
仔犬のように、さっきから身体中に弾力の渦巻を転々さして、興味の眼を八方に向け放っ....
「竇氏」より 著者:田中貢太郎
た。廷章は怒って児を棄てた。 女はその夜家を出て児を探しに往った。児は星の下で
仔犬のうなるような声をして泣いていた。女は児を抱いて南の家へ往った。 「どうか旦....
「可愛いポール」より 著者:北条民雄
中からは、苦しそうにうんうんうなる声や、お母様のおちちがほしくなったのでしょう、
仔犬の泣き声が、キャンキャンと悲しそうに聞えて来ます。 その時、まだ生れて間も....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
やす》い芸当で、戸棚、鼠入らずの戸まで開けて掠奪を逞しゅうする、そのうち、一匹の
仔犬を飼うことによって、この野良猫の凶暴なる出没が幾分緩和されたが、やがて飼犬の....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
して、私が憤ろしい眼をじっと前方に見据えて、人道の端を歩いていると、一匹の小さな
仔犬が、雑閙の間にまぎれて、丸く反らした尻尾の先を打振りながら、車道の中へよたよ....
「人の子の親となりて」より 著者:坂口安吾
、いまも二匹いる。 だから綱男が生れたときも、まず何よりも犬と比較して考える。
仔犬は買ってきた時から人にじゃれるし旺盛な食慾があって可愛いものだが、生れたての....
「博物誌」より 著者:岸田国士
。 例の細かいホックの先で、その幹のごつごつした肌をさわってみ、生れたばかりの
仔犬のような小さな頭を振りたてながら、やがて決心して攀じ登り始める。 で、今度....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
側に位置をしめてコリーをかばって歩くし、よその犬に会えばそッちの側に位置をしめて
仔犬をかばう。よその
仔犬をこんなにかばって遊んでくれる習性も、利巧さも、日本犬に....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
うに私は思う。 シャモについての経験はないが私自身の実験した例では、犬の場合、
仔犬のときに喧嘩に負けた犬は、生涯喧嘩に尻ごみするという風に日本ではいわれている....
「遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
によって来た馬追虫《うまおい》もいる、こおろぎもいる、おけらもいるという騒ぎに、
仔犬《こいぬ》もはしゃいで玄関から上ってくれば、飼猫《かいねこ》も出て来た。虫の....
「道」より 著者:織田作之助
と泣き苦しむ声がかすかに聴えて来たのだ。佐伯は暗がりに眼をひからせた。道端に白い
仔犬が倒れているのだった。赤い血が不気味などす黒さにどろっと固まって点点と続いて....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
、「わがよき少女」であり、「わが魂の搾取者」であり、「愛する女優さん」、「可愛い
仔犬」であり、「わが事務的な積極的な妻」であり……同時にその一さいであり、すなわ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
と、性質が怜悧で敏捷こく、勇気に富みながら平生は沈着いて鷹揚である咄をして、一匹
仔犬を世話をしようかというと、苦々しい顔をして、「イヤ、貰う気はしない、先妻が死....