仕上げる[語句情報] »
仕上げる
「仕上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
かだった。わたしは下宿へ帰らずにとりあえずMと云う家へ出かけ、十号ぐらいの人物を
仕上げるためにモデルを一人雇うことにした。こう云う決心は憂鬱の中にも久しぶりにわ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
的見地から見てではなくて、むしろその企図の規模の偉大な点にある。この企図を細密に
仕上げることはけだしカントの任ではなかったのである。 カントの考えをほとんどそ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
のですが、朱を注すのは非常の痛みで、大抵の強情我慢の荒くれ男でも、朱入りの刺青を
仕上げるまでには、鬼の眼から涙を幾たびか零すと云います。しかも大抵の人は中途で屹....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
と処女とを眺めているように思われた。それはあたかも一つの絵画、または一群の彫像を
仕上げるために、全生涯を捧げた芸術家がついに成功して、大いに満足したというような....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
世から清らかな祝詞の声がひびいて来るようになりました……。イヤ一人の小供を満足に
仕上げるにはなかなか並大抵の苦心ではござらぬ。幽界に於ても矢張り知識の必要はある....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ンを度々きかなければならなかった。授業は殆どと切れ、きまった時間にきまった仕事を
仕上げるのが無理になって来た。 ある日、警報下のことである。私は情報部員であっ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
のいる下まで、トンネルをほるのだ。もう一つは水を干すのだ」 人びとはその仕事を
仕上げるにどのくらいかかるかというとりとめのない議論を始めた。結局少なくともこの....
「火の扉」より 著者:岸田国士
籍をおいた三年間は、おれを特殊な科学者、つまり、兵器の研究を専門とする技術将校に
仕上げる期間だつた。うん、そう/\、その当時だ、名和さんがお前という女をおれに押....
「劇の好きな子供たちへ」より 著者:岸田国士
にむかって協力する精神と、ふくざつな仕事をもっとも順序よく、むだを少なく、完全に
仕上げる技術とをやしなう機会が得られるのである。これは、めいめいの立場からいえば....
「画道と女性」より 著者:上村松園
思わせる胡蝶の数の、四匹を三匹にしたりした程度のいささかの変りはある。もっと早く
仕上げる筈が、だんだんと日が迫って来るので最後に近い何日かは、毎日夜中の二時三時....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
晴れている。調子は異うが、日が傾いて谷は暗く、水色も同じに見えるので少し無理だが
仕上げることにした。 この日はかなり長い道を歩いた、膝の関節が痛い。 ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
はほとんど際限のない仕事であった。たいして心配性の人間ではなくとも、願書をいつか
仕上げるというようなことはできない相談だ、というふうに思いこみやすかった。弁護士....
「料理の第一歩」より 著者:北大路魯山人
わたしたちは、したいと思っても、しようと思うのはなかなかだ。しようと思っても
仕上げるまでには時を必要とする。だが、したいと思っている心を、しようと決心するに....
「インチキ鮎」より 著者:北大路魯山人
生き生きしていないから料理にならない。そこで料理屋はこれにタレをつけて照り焼きに
仕上げるのである。まさかこればかりを客に出すわけにもいかないから、活あゆの塩焼き....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
獲量が不足し、ときには場違いの魚類が加わるのみか、雨天などには、乾燥機がどんどん
仕上げるものもあるらしいから、評判通りのものが、いつでも手に入るとはかぎらない。....