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仕方
「仕方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
軍は、たった二十八騎です。雲霞《うんか》のような味方の大軍に対して、戦った所が、
仕方はありません。それに、烏江の亭長《ていちょう》は、わざわざ迎えに出て、江東《....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
あかされたのですから、羨《うらやま》しいのと、妬《ねた》ましいのとで、腹が立って
仕方がありません。そこで上辺《うわべ》はさも嬉しそうに、いろいろ髪長彦の手柄を褒....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
じゃないか。』と、たしなめるような声で云うのです。私『どうも虫が好かないのだから
仕方がない。あれがまた君の細君の従弟だとは不思議だな。』三浦『不思議――だと云う....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
むきになって、「そりゃ私だって、知りたかったんです。だけど、わからないんだから、
仕方がないじゃありませんか。何《なん》しろ幕の上で遇うだけなんですもの。」と云う....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
さっきから、御茶碗を洗って居りましたんですが――やっぱり人間眼の悪いと申す事は、
仕方のないもんでございますね。」
婆さんは水口《みずぐち》の腰障子を開けると、....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
評議した。こうなっては、いよいよ上木の献策通り、真鍮の煙管を造らせるよりほかに、
仕方がない。そこで、また、例の如く、命が住吉屋七兵衛へ下《くだ》ろうとした――丁....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
※陀多もくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。そこで
仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
も曇天の海を見ながら、まずパイプへマッチの火を移した。今日《きょう》のことはもう
仕方がない。けれどもまた明日《あす》になれば、必ずお嬢さんと顔を合せる。お嬢さん....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の?」
「いいえ、お母さんの事じゃないんだよ。実はあの看護婦だがね、ありゃお前、
仕方がないよ。――」
叔母はそれからねちねちと、こんな話をし始めた。――昨日あ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
の取捨選択をしながら、書いてゆく。これはしないつもりでも、事実としてするのだから
仕方がない。と云う意味は、それだけもう客観的の事実から遠ざかると云う事です。そう....
「運」より 著者:芥川竜之介
れて行きます。泣こうにも、喚《わめ》こうにも、まるで人通りのない時分なのだから、
仕方がございませぬ。」
「ははあ、それから。」
「それから、とうとう八坂寺《やさ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
の肥《ふと》った客の出現以来、我々三人の心もちに、妙な狂いの出来た事は、どうにも
仕方のない事実だった。
客は註文のフライが来ると、正宗《まさむね》の罎《びん》....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデーは随分と物忘れをして、困ったので、その発端は既にこの時にあらわれている。
仕方がないので、後にはポケットにカードを入れて置いて、一々の用事を書きつけたそう....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
人びとはみな、判事の決定を正しいとした。ああ。 十月二十七日―― 甥は供述の
仕方が下手だった。彼は、犯罪が行われた時には、パンとチーズとを買いに村へ出かけて....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ましたので、それを見た多助は、大変に怒って、伊作と喧嘩を初めました。そこで伊作は
仕方がないので、小判を十枚だけ多助に渡しました。そして太郎右衛門には五枚だけ渡し....