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「仕来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仕来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春昼」より 著者:泉鏡花
…どうも、これだけは真面目に介抱は出来かねます。娘が煩うのだと、乳母が始末をする仕来りになっておりますがね、男のは困りますな。 そんな時、その川で沙魚でも釣っ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
人で茶屋へ休むと、茶二つ、旅籠屋では膳が二つ、というのが、むかしからの津々浦々の仕来りでね、――席には洋服と、男ばかり三人きりさ。それが、お前さんに見えたのは、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ああ、番頭さん、お店の方もお聞きなさい。私ね、この頃人に聞いたんですがね。お店の仕来りで、あの饅頭だの、羊羹だの、餅菓子だのを組合せて、婚礼や、お産の祝儀事に註....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
親になりすましているのだから当然のことであるが、本当の処はそうでなかった。未荘の仕来りでは、阿七が阿八を打つような事があっても、あるいは李四が張三を打っても、そ....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
れどちょっと方針を変えてこの場ですぐに改めれば、人々は太平無事で、たとい今までの仕来りがどうあろうとも、わたしどもは今日特別の改良をすることが出来る。なに、出来....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
の不文法でその裁決に困った様な場合には、往々「エタの水上」なる京都へ来て、エタの仕来りを問い合せているのである。 正徳二年七月に、備後地方のエタと茶筅との間に....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
して面倒な問題を惹起すべき筈はない。したがって行政上にも、彼らは古来からの彼らの仕来りのままに従って、自治に放任せられていたのであった。服装その他の事項について....
来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
、吟味の上村方故障無之分は、居懸百姓又は見懸人に相|居、医者又は賤しからざる渡世仕来候者は、郡付亦は郷付浪人等に申付候様、享和二戌年御内達に有之。 とある。こ....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
郡はかせ頭赤岡村 足田市太 小者共 右市太夫先祖代代安喜香我美南郡はかせ頭役仕来候由、依者也、 元禄貮己 上野半右衛門 三月廿三....
数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
位の美味さからいうと、一旦干ものにしたものを水でもどしてやわらかくして、昔からの仕来り通りの数の子にして食べるほうが美味い。 干したものを水でもどしたほうが元....
春泥」より 著者:久保田万太郎
けでもぞく/\したものですが……」 「高島屋さんが西洋から帰っていまゝでの芝居の仕来りを改良なさろうとなすったのが明治四十一年。……一がいに茶屋や出方を止そうと....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
だ二十の娘で、女といへば芸者しか知らない。花柳界の礼儀で、待合の娘が芸者を遇する仕来り、芸者が待合の娘を遇する仕来り、ちやんと出来上つた枠の中で我がまゝ一杯ハネ....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
業の耕作、田地のこしらへ、苗代より始めて一切の種物下し様に至るまで、ただ古来より仕来る事を用ひて、善といへども、悪を改めず」と嘆息している。 このことは遠い古....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
分を書いておいたぜ、と大笑いでした。葬式のマネゴトをやるについては、これも浮世の仕来だから受けて置けと気軽な様子でお手渡しになったのです」 なんとなく深い意味....
」より 著者:島崎藤村
嘉助は橋本の家を出て最早足掛二月に成るという。この長い行商の旅は、ずっと以前から仕来ったことで、橋本の薬といえば三吉が住む町のあたりまで弘まっていた。燈火の点く....