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「仕来り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仕来りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
駈込み訴え」より 著者:太宰治
だ。このように弟子たち皆の前で公然と私を辱かしめるのが、あの人の之《これ》までの仕来りなのだ。火と水と。永遠に解け合う事の無い宿命が、私とあいつとの間に在るのだ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
中だけであった。後に女中の手が殖えて来たけれど、お鈴は加世子の生きている時からの仕来りを、曲りなりにも心得ていて、どこに何が仕舞ってあるのかもよく知っていた。し....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
麗に踏んづけて行く。燻炭肥料の、条播のと、農会の勧誘で、一二年やって見ても、矢張仕来りの勝手がよい方でやって行くのが多い。 十一 霜らしい霜....
春昼」より 著者:泉鏡花
…どうも、これだけは真面目に介抱は出来かねます。娘が煩うのだと、乳母が始末をする仕来りになっておりますがね、男のは困りますな。 そんな時、その川で沙魚でも釣っ....
新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
ない。 雑煮の味というものが家々でみんな違っている。それぞれの家では先祖代々の仕来りに従って親から子、子から孫とだんだんに伝えて来たリセプトに拠って調味する。....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
だ二十の娘で、女といへば芸者しか知らない。花柳界の礼儀で、待合の娘が芸者を遇する仕来り、芸者が待合の娘を遇する仕来り、ちやんと出来上つた枠の中で我がまゝ一杯ハネ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
親になりすましているのだから当然のことであるが、本当の処はそうでなかった。未荘の仕来りでは、阿七が阿八を打つような事があっても、あるいは李四が張三を打っても、そ....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
れどちょっと方針を変えてこの場ですぐに改めれば、人々は太平無事で、たとい今までの仕来りがどうあろうとも、わたしどもは今日特別の改良をすることが出来る。なに、出来....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ので、お得意先に御不便なこともあろう。店員諸子にしても年少の人たちの中には、店の仕来りに従うて仕事をしながらも、何故そうするのか解らないでいるものがないとも言え....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
人で茶屋へ休むと、茶二つ、旅籠屋では膳が二つ、というのが、むかしからの津々浦々の仕来りでね、――席には洋服と、男ばかり三人きりさ。それが、お前さんに見えたのは、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ああ、番頭さん、お店の方もお聞きなさい。私ね、この頃人に聞いたんですがね。お店の仕来りで、あの饅頭だの、羊羹だの、餅菓子だのを組合せて、婚礼や、お産の祝儀事に註....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
して面倒な問題を惹起すべき筈はない。したがって行政上にも、彼らは古来からの彼らの仕来りのままに従って、自治に放任せられていたのであった。服装その他の事項について....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
の不文法でその裁決に困った様な場合には、往々「エタの水上」なる京都へ来て、エタの仕来りを問い合せているのである。 正徳二年七月に、備後地方のエタと茶筅との間に....
数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
位の美味さからいうと、一旦干ものにしたものを水でもどしてやわらかくして、昔からの仕来り通りの数の子にして食べるほうが美味い。 干したものを水でもどしたほうが元....
春泥」より 著者:久保田万太郎
けでもぞく/\したものですが……」 「高島屋さんが西洋から帰っていまゝでの芝居の仕来りを改良なさろうとなすったのが明治四十一年。……一がいに茶屋や出方を止そうと....