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仕着せ
「仕着せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕着せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
来たが、父親は難《むずか》しい顔をして、いつか長火鉢の傍で膳《ぜん》に向って、お
仕着せの晩酌をはじめているところであった。外はもう夜の色が這拡《はいひろ》がって....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
斯《こ》う森のように生えて、左右へつや/\しく割り、今御牢内から出たろうと云うお
仕着せの姿《なり》で、跛《びっこ》を引きながらヒョコ/\遣って来たから、新吉は驚....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ら死骸を見調べると、小娘は年のころ十三、四、手甲《てっこう》、脚絆《きゃはん》、
仕着せはんてんにお定まりの身ごしらえをして、手口は一目|瞭然《りょうぜん》、絞殺....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
と、余は実に気分が悪くなった。何うだろう、其の服は英国の監獄署で女の囚人が着ける
仕着せである。真逆に秀子が此の様な物を被た筈はない。虎井夫人であろう、爾だ虎井夫....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
年以上は長年《ちょうねん》するという約束をしてくれなければ困る。その代りに夏冬の
仕着せはこっちで為《し》てやって、年に三両の給金をやる」 「ふむう」と、半七は眉....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
※云われると直ぐぷいと出て往って了う。寺本さんの作代は今年も勤続と云うが、盆暮の
仕着せで九十円、彼様な好い作代なら廉いもンだ、と皆が羨む。亥太郎さんの末の子は今....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
と売子監督はいぎりす産に限ると言われてるほど、いかさま堂々とした「|能なし」がお
仕着せのモウニングを一着におよび、微笑の本家みたいな顔をして直立している。 そ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
etsuke”と題する研究的な一書を見せたり、そのあいだも、何にするのか女中のお
仕着せみたいな染め絣が一尺二尺とよく売れて行く。 アルトベルグさんは非常な論客....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
だけの苦心が前に払われていることを、繰り返し言っておきます。 先年店員の中に、
仕着せの縞物を嫌い、絣を自弁でつくったり、あるいは店服のルバシカを脱いで詰襟を借....
「桜の園」より 著者:神西清
行った老僕フィールスが、杖にすがりながら、あたふたと舞台をよこぎる。古めかしいお
仕着せに、丈の高い帽子をかぶり、何やら独りごとを言っているが、一言も聞きとれない....
「食堂」より 著者:島崎藤村
力の方では言ったが、それを納めて貰わないことにはお三輪の気が済まなかった。盆暮の
仕着せ、折々の心づけ――あの店のさかんな時分には、小竹の印絆纏や手拭まで染めさせ....
「城」より 著者:カフカフランツ
わ」
Kはうなずいた。家へ帰ることはもう考えていなかった。
「あの人は自分のお
仕着せももっていますしね?」と、Kはたずねた。
「あの上衣のことをいっていらっし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
羽織を幇間へ残らず出そうじゃアないか」 千「もし私を情人に取ったら紫縮緬の羽織を
仕着せしよう」 と互に約束をいたし、両方とも百枚ずつ誂えまして、山口巴屋に腰を....
「はつ恋」より 著者:神西清
うから、がらがらした女の声が呼んだ。 老僕が無言でわたしに背を向けた途端に、お
仕着せのひどくすり切れた背中が丸見えになって、そこに赤さびの出た定紋入りのボタン....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
主人の家に寄食するもの、後世の商家の例で云えば、家人は通い番頭、奴婢は住み込みお
仕着せの奉公人という様な別があるのでありますが、これを通じては奴婢とも申した。つ....