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「仕立てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仕立てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
いつもせいぜい裏をかえたり、繕ろい仕事ぐらいよりしていない仕立屋と、新しいものを仕立てる裁縫師との截然たる懸隔をその伎倆に示したものと、十二分に自覚しているらし....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
て来る芸者ではある。 それに、最も肝心な先輩の返事が全く面白くなかった。女優に仕立てるには年が行き過ぎているし、一度芸者をしたものには、到底、舞台上の練習の困....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
衝動が少くなると小初は水中で眼を開いた。こどもの時分から一人娘を水泳の天才少女に仕立てるつもりの父親敬蔵は、かなり厳しい躾け方をした。水を張った大桶の底へ小石を....
食魔」より 著者:岡本かの子
嬢さんや夫人たちのための点茶や懐石のよき相談相手だった。拓本職人は石刷りを法帖に仕立てる表具師のようなこともやれば、石刷りを版木に模刻して印刷をする彫版師のよう....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
くなる鈴の音は、往さ来さの白衣の菅笠や金剛杖に伴って、いかに富士登山を、絵巻物に仕立てることであろうか。行者と修験者の山なる点において、富士と木曾御嶽は、日本の....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
別府、三ツの温泉都市を選び、国家の力で設備を施して、日本の代表的な遊楽中心都市に仕立てるという。これについては、住民の投票をもとめ、半数以上の賛成によって定める....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ございます。それで八住は、船底を改装して硝子張にしたのを、いよいよ海底の遊覧船に仕立てることにいたしました。 そうして再び、貴方のお船『|鷹の城』は動くことに....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
てやって俺の家は一代で潰してもよい。同業からヤクザの婿を貰って、なまじお狂言師に仕立てるよりも、嫁にやったほうが無難らしい」 嘉門の女房は数年の前に死んで、今....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
伝説は書紀とアベコベのことを伝えており、偶然にも国史と伝説までがスクナを両面的に仕立てる結果になりましたが、実はスクナが両面でなければならぬ本当の理由はこれで、....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
候を入れて飽食していたのである。 もっとも、巴里や北京の料理人なら天下の珍味に仕立てる材料もガランドウの手にかかってはただ鍋にグツグツ煮るだけのことで、アクを....
錦紗」より 著者:犬田卯
銭一銭など十数個入っていたのだった。十円は母からことずかって兄貴と自分の野良着に仕立てる紺木綿を買う予定のもの、そして残りの五円なにがしこそ、この前買えなくて、....
」より 著者:犬田卯
春蒔野菜の種子や隠元豆、ふだん草、山芋などを蒔きつけ、さらに、トマトや南瓜の苗を仕立てるための苗代ごしらえをしていた。おいおい彼自身も村夫子にかえって野菜作りか....
音楽界の迷信」より 著者:兼常清佐
いてない洋服の註文書のようなものである。その寸法を自分の考えで入れて、実際洋服に仕立てるだけがピアノの演奏家の仕事である。その寸法に多少の独創があると言えばある....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の定さんの借りている女髪結の家の娘が常磐津を習っていることであった。親も商売人に仕立てるつもりで、後に家元の名取りになった位であるから、その稽古は頗るきびしい。....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
心である。能楽を大成させた世阿弥は尭孝の世を去る一年前に亡くなったが、彼の能楽を仕立てるねらいは、妖艶な美しさにあった。『伊勢』『源氏』から取材した女性を立て役....