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仕舞う
「仕舞う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕舞うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「慈悲」より 著者:岡本かの子
のいうことをも直ぐ聞き入れてやる人、何事も他人の為に辞せない人、こう極《き》めて
仕舞うのが普通でしょう。それはそうに違いないでしょう、それが慈悲ぶかい人の他人に....
「鮨」より 著者:岡本かの子
がいくら耽り込んでも、擾れるようなことはない。万事が手軽くこだわりなく行き過ぎて
仕舞う。 福ずしへ来る客の常連は、元狩猟銃器店の主人、デパート外客廻り係長、歯....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、実にうまく行ったのでございます。二十九日のたしか午後七時五十一分ごろ、もう店を
仕舞うちょっと前のことでございますナ、お客様がお見えになりまして、手前の店払渡し....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
てグッと締めつけているのだった。 絶体絶命! 僕はこの女のため、金に変えられて
仕舞う運命なのだろうか? 秀蓮尼庵室 腕を締めつけた女は、あまりに美しか....
「地獄街道」より 著者:海野十三
が飛びこんだとしても、器械は顔色一つ変えることなく、ビール瓶と木箱と同じに扱って
仕舞うことだろう」 辻永は大きく嘆息をした。 「すると君は、あの不幸な青年たち....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
かもしれませんが、それ以上の個性とか、精神とか、つまり現象的な存在は全々消失して
仕舞うから生存中の自己の現象的な産物の仕事なんかは、死後に全々消失する個性的な自....
「河明り」より 著者:岡本かの子
あらゆる感覚の蓋を開いて、新奇な空気を吸収する、その眠たいまでに精神が表皮化して
仕舞う忘我の心持ちに自分を托した。一つにはこの庭と茶室の一劃は、蔵住いと奥倉庫の....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
たものが二三人居る。 起きろ野郎共、汽笛が鳴ってらい。さ、今日ですっかり片付けて
仕舞うんだ。 而して大欠伸をしながら、彼は寝乱れた労働者の間を縫って、オデッサ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
時が過ぎ、半が過ぎ、どうじゃ諸君、やがて一時頃まで遣って来んぞ。 他の露店は皆
仕舞うたんじゃ。それで無うてから既に露店の許された時間は経過して、僅に巡行の警官....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ほどの難題はめったにありませぬ。さればとて、それが話の順序であれば、無理に省いて
仕舞う訳にもまいりませず、本当に困って居るのでございまして……。ナニ成るべく詳し....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
だが不思議ですね。それほど女性の陰に悩まされた自分でありながら、さて女性に離れて
仕舞うことになると、まるでぽかんとして
仕舞うのですね」 それは恰度菓子造りの家....
「唇草」より 著者:岡本かの子
陥るだけだ。肉体的の生命を注ぎ合うほど情感の濃い匂いは発散して、人間を白けさして
仕舞うものだ。いけない。栖子と尾佐の結婚後の白け方を見よ!」 栖子も何となく躊....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
になった。そのうちあの女も眼を醒まし、自分の居ないのが分ったら何処かへ出て行って
仕舞うだろう――小田島はまたそっと部屋へ帰り、急いで平常着と着更えて足早に外へ出....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
っと言葉に詰まった。でも、ぐずぐずしているうちに政枝の手首から多量の血が流れ出て
仕舞う。多可子は焦った。 「ええ、理由がありますとも。でも、今はあんたが亢奮し過....
「狐」より 著者:岡本かの子
ばんという貴公が、どうしたことだ。 ――実学も突き詰めてみると、幻の無限に入って
仕舞う。時と場合と事情に適応した理論が、いつでも本当ということになる。この無限の....