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仕草
「仕草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
の平打の簪《かんざし》を抜いて、その脚でするすると一方を切り開いた。その物慣れた
仕草《しぐさ》から、星野からの手紙が何通もああして開かれたのだと園に思わせた。そ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
かへ飛び去っておしまいになり、そのうえご自分の抜骸《ぬけがら》に、こんな意地悪い
仕草《しぐさ》をさせるなんて、あまりと云えば皮肉ではございませんか。今までも、と....
「蠅」より 著者:海野十三
秘密の映画観賞会員の一人だった。 一体そうした秘密映画というものは、一と通りの
仕草を撮ってしまうと、あとは千辺一律で、一向新鮮な面白味をもたらすものではない。....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
向うの梯子の上では、司法主任と並んで、興奮した助役が、唇を噛み締めながら喬介の
仕草を見ていたが、とうとう堪え兼ねた様に、 「じゃあ、は、犯人は、ここから梯子伝....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の姿が見えて来た。いよいよ近く漕ぎ寄って来た。片手を挙げて髪のほつれを掻き上げる
仕草が見える。途端に振り上げた顔を月光で検める。秀江だ。復一は見るべからざるもの....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
女は急に規矩男が不憫で堪らなくなった。かの女の堰きとめかねるような哀憐の情がつい
仕草に出て、規矩男の胸元についているイラクサの穂をむしり取ってやった。高等学校の....
「河明り」より 著者:岡本かの子
」といった。 娘は俯向いて、型のようにちょっと無名指の背の節で眼を押えた。その
仕草が、日本女性のこういう場合にとる普通の型のように見え乍ら私はやはりこの遠方の....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
女は自分の口へ指を当てて「しっ」といって姐さんにまず沈黙を求めた。それから芝居の
仕草も混ぜて「これ、こえが高い、ふなが安い」と月並な台詞の洒落を言った。 姐さ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
した者は、正吉がいうとおり、たしかにわれわれと同じ地球人ですよ。ああいう戸を叩く
仕草は、地球人独特の
仕草です。月人なら、あんなことはやらないでしょう。ですから、....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
壇の方についていった。 杜先生は壇前に立ち、この劇においてローマ群衆はどういう
仕草をしなければならぬかということにつき、いと熱心に説明をはじめた。それから練習....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
のことで或る時、或る場合|一寸此の字が現われて来るのなら彼女は宜いと思う。芝居の
仕草や、浄瑠璃のリズムに伴い、「天下晴れての夫婦」などと若い水々しい男女の恋愛の....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
ヴウを約束しようとして他人と一緒の時には、いつも彼女はこの可愛らしいふてぶてしい
仕草で合図をする。 彼女は小田島が彼女の様子を見届けたのを知ると裳を元通り降し....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
をひねって一寸髪に手をやり、掛け毛布の下で細い体を妙にくねらせた。その嬌羞めいた
仕草が多可子を不意に不快にした。見れば耳の附根や頸すじに薄ら垢が目に附く病少女の....
「娘」より 著者:岡本かの子
なり、物事を決断し兼ねるときのこの子の癖のしきりにもどかしそうに両手で脇腹を掻く
仕草をしたあと、意気地の無い声を出した。 「姉ちゃんにみんな遣んの嫌だあ」 そ....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
あり、誰の目にも出のいい人だという事が分るような物腰でした。私は自分のはしたない
仕草と、日本人だという親しみもあって、何ということなしに微笑みながら頭を下げると....