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仕込み
「仕込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
って自分の背たけの低さを見せた。そうして立ったままでしばらく考えていたが、踊りで
仕込み抜いたような手つきではたと膝《ひざ》の上をたたいて、
「ようございます。わ....
「放浪」より 著者:織田作之助
や》をやることもあった。天満京阪裏の古着屋で一円二十銭出して大阪××新聞の法被を
仕込み、売るものはサンデー毎日や週刊朝日の月おくれ、または大阪パックの表紙の発行....
「家霊」より 著者:岡本かの子
《ひね》ってある電燈の下を見廻すと、大鉢に蓋《ふた》がしてある。蓋を取ると明日の
仕込みにどじょうは生酒に漬けてある。まだ、よろりよろり液体の表面へ頭を突き上げて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
風に、ちいさいときから余り邪慳に責められたせいか、歌女代はどうも病身であったが、
仕込みが厳しいだけに芸はよく出来た。容貌も好かった。十六の年から母の代稽古として....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ろう。」 「お前さんの圧ぐらい掛ります。」 「ああいう口だ。はははは、奥さんのお
仕込みだろう。」 「めの字、」 「ええ、」 「二階にお客さまが居るじゃないか、奥....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
信じて言うのだ)――普通の婦人とは違って丈がずッと高く――目と口とが大きいので、
仕込みさえすれば、女優として申し分のない女だ。かつ、その子供が一人ある、また妹が....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
いう折々、いつも私は思うのであるが、これは氏の天資か、幼時からの都会の良家的「お
仕込み」で、習性となって居る氏の動作が、このほか松葉杖つく画家K氏を、まめまめし....
「獄中記」より 著者:大杉栄
どは僕のうしろに不動の姿勢を取って突っ立っている看守に怒鳴りつけた。僕は幼年学校
仕込みの「廻れ右」をわざと角々しくやって、典獄室を出た。これは幼年校時代の叱られ....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
る。地獄も見て来たよ――極楽は、お手のものだ、とト筮ごときは掌である。且つ寺子屋
仕込みで、本が読める。五経、文選すらすらで、書がまた好い。一度|冥途を※ってから....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
る。……と送って出しなの、肩を叩こうとして、のびた腰に、ポンと土間に反った新しい
仕込みの鯔と、比目魚のあるのを、うっかり跨いで、怯えたような脛白く、莞爾とした女....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
背中を、どしんと撲わせた。 「こいつ、こいつ。――しかし、さすがに上杉先生のお
仕込みだ、もてたと言わない。何だ、見ろ。耳朶に女の髪の毛が巻きついているじゃない....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私のような者がドーやら一|人前のものになることができましたのは、偏にお爺さまのお
仕込みの賜でございます。全く世の中に神様ほど難有いものはございませぬ。善きにつけ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
て、二人の抜出した台所に、芬と酢の香の、暖い陽炎のむくむく立って靡くのは、早鮨の
仕込みらしい。 「兄さん――さあ、お久さん……こちらへ。……」 「それでねえ、―....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ので、好劇家は異口同音に賞讃した。団十郎も楽屋で褒めたそうである。かれは菊五郎の
仕込みだけに、舞踊の素養も十分であった。しかも彼はそれから間もなく病床の人となっ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ま神戸を飛び出していた。 汽車で奈良に向かい、若草山の下の売店でついふらふらと
仕込みづえを買った。当時の青年たちを支配していた壮士気取りの気風は、やはり私にも....