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他人の空似
「他人の空似〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他人の空似の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
亡妻の八重子に似ていると、どきんとしたことは事実だが、しかし、仔細に観察すれば、
他人の空似というほども似ていず、ただ少し感じが似ているというだけに過ぎないのだ。....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
米で、双児というものは身体の好格《かっこう》から顔立までが似ているものだそうで、
他人の空似とか申して能く似ているものを見ると、あゝ彼《あ》の人は双児のようだと申....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
付。キリリと結んだ口もと。どうしても美紅にそっくり……これはどうした事であろう。
他人の空似にしてはあまりよく似過ぎていると、呆れて穴の明く程その横顔を見ておりま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ついた。「あいつらの顔をみると、急にお俊を思い出して、こりゃあ占めたと思ったが、
他人の空似でやっぱりいけねえ。柳橋を引いてから疱瘡をしたと云えば云うのだが、例の....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
はすまい。そんなことをしたなら、身の破滅だからな――俺は、何処までも、そいつは、
他人の空似だと頑張っておればいい。もし、本物と判ったなら――その時は、その時だ)....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
宇津木兵馬様であるやらないやらは懸念《けねん》のことだけれども、今日の場合では、
他人の空似《そらに》であっても、心強い感じがする。 明日は北原さんへ手紙を書く....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
象が変っているから、何か気に入らないことがあって行ってしまったのか知ら、もしや、
他人の空似《そらに》というものではないかしら」 お君は打消してみたけれど、どう....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かたわらの源十郎が威儀《いぎ》をただして、しんみりとこんなことを言い出した。
「
他人の空似《そらに》とはよく申したものでおさよ殿は、死なれた拙者の母御に生き写し....
「白日夢」より 著者:豊島与志雄
思い違いらしいんだ。と云って、そうばかりでも済まされない気持がする。 「一体君、
他人の空似ということが、そう度々あるものだろうか。人間の顔は皆よく似寄ってるもの....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
日間彼の頭を占めていたが、そのうちに消えうせてしまった。彼は自ら言った、「結局、
他人の空似《そらに》に過ぎなかったのだろう。」
二 拾い物
マリユスはなお....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
\桜の馬場でお町の親父庄左衞門を殺し、脛に疵持つ此の身、迂濶なことは云えぬわい、
他人の空似ということはあるが、真実庄左衞門の娘かも知れぬ」 と思いました故、さ....
「離魂病」より 著者:岡本綺堂
事はやはり同じことで、お福はどこへも出ないというのであった。 「では、どうしても
他人の空似か。」 西岡はもうその以上に詮議しようとはしなかった。その日はそれぎ....
「百物語」より 著者:岡本綺堂
きものが何処をどう抜け出して来たのであろう。どうしてもこれは本当の島川ではない。
他人の空似か、あるいはやはり妖怪の仕業か、いずれにしても粗忽に立ち騒ぐこと無用と....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
それでもその時のお客というのがそれこそお前さんと瓜二つだがね」 「夜目遠目傘の中
他人の空似ということもある」 「それじゃやっぱり人違いかねえ」 お袖はじっと思....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
礼でございますが、何か証拠と申すようなものを、見せていただきたいのでございます。
他人の空似というようなことも、往々《まま》あるためしでございますから――」
た....