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「他領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

他領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来た。千倉屋の若い者二人は彼の警固をかねて領ざかいまで附き添って来た。 隣国の他領へはいって、千倉屋から指定された宿屋に草鞋をぬいで、澹山は約束の三週間をここ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
通りのお触れが出ている以上、かれは何人の恵みをも受けることが出来なくなって、早く他領へ立退くか、あるいはここでみすみす飢え死にしなければならないのである。庄兵衛....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
は、額を集めて相談した。 「これは何うも大事件だ。江戸の町奉行が隠密となり、直々他領へ入り込むとは、曾て前例の無いことだ。これが普通の隠密なら、捕えて殺して了え....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ずして見かけ次第もらさず討ち取れという意味のことが認めてあり、万一討ちもらしたら他領までも付け入って討ち取るように、それを等閑にしたらきっと御沙汰があるであろう....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
新紙幣)通用の励行は新政府のきびしい命令であるが、こいつがなかなかの問題で、当時他領の米商人をはじめ諸商人どもは金札を受け取ろうともしない。風のたよりに聞けば、....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
等の学者なら学者、文士なら文士としての、人間的無責任を告白しているに他ならない。他領域に就いては他領域の専門家の仕事を一応信用してかかるというならば、それはそれ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は中々に極度まで自己等の権利を残忍に牢守《ろうしゅ》している。まして敗軍の将士が他領を通過しようという時などは、恩も仇《あだ》もある訳は無い無関係の将士に対して....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
さあ野郎観念しろ! いいかげん手数をかけやがって! 猪太郎様の眼を眩ませうまうま他領へ逃げようとしたってそうは問屋でおろさねえ!」 詈り詈り熊を追い、追い縋っ....
科学論」より 著者:戸坂潤
がこの場合、自然科学は実は単に自律的であることだけに止まらない。更に、やがて夫は他領域のイデオロギーや政治的・経済的・技術的・な領域やに向って、却って制約者を追....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
義は技術的範疇を自然科学的範疇に限って、後者と後者の単なる移行以外に技術的範疇の他領域を認めないから、つまる処「科学主義」の偏向や機械論の無意味にさえ陥ったので....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
えテキパキとは検出出来なかろうと考えた。 だがそれは良いとして、科学はどういう他領域の文化と交易関係に立っているか、この問題を意味のある示唆に富んだ形態で解決....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
筆頭で、公儀にとっては恐ろしいお家だ。そこで大事を起こされてはたまらぬ。と云って他領だから江戸町奉行としては、どうにも策の施しようがない。ついてはその方個人とし....
馬妖記」より 著者:岡本綺堂
やまない。こうなると、城内でももう捨て置かれなくなって、かの弥次兵衛のいう通り、他領への聞えもあれば、領内の住民らの思惑もある。かたがたかの怪しい馬を狩り取れと....
時勢と道徳観念」より 著者:喜田貞吉
し。小賊何ぞ大賊に等しからんや。窃盗・強盗は山賊・海賊の比にあらず。山賊・海賊は他領押両(領)の大賊党に比せず。又位を諍ひ国を奪ふの大盗よりも軽し。然らば末代は....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
脚は、此処で挫けた。私は例えば引かれぬ意地で人を斬って家中を立ち退いた士が、危く他領へ逃げ込んでホット一息しつつ、恐ろしい追手の姿を見送るにも似た心もちで、東の....