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付木
「付木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
付木の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「嵐」より 著者:島崎藤村
の。――三ちゃんでも、末子さんでも。」 私はお徳の前に立って、肴屋の持って来た
付木にいそがしく目を通した。それには河岸から買って来た魚の名が並べ記してある。長....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
云うこと聞いてくれ」
と唱え出した。琴が鳴る。篳篥が叫ぶ。琵琶が和する。
黒紋
付木綿の綿入に袴を穿いた倔強な若い男が六人、歌につれて神前に踊りはじめた。一進一....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ぽい存在。 一と月ほど前に、吉原《なか》の年《ねん》があけて、この二、三軒先の
付木屋《つけぎや》の息子といっしょになったばかりの、これでも花恥ずかしい花嫁さま....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
春亭も気が進まなかったのだが、三馬と春亭が白眼《にら》み合っては出版元が困るから
付木店の摺物師《すりものし》山本長兵衛という人が仲人となってこの戯作出入りを扱う....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
っておくんなせえ」
と、いった闇太郎、室内《なか》にはいって火鉢を掻きたてて、
付木に火をうつすと、すぐに行灯《あんどん》がともされた。ぱあっと上りはなの一間が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りあえず荷物を抛《ほう》り出して、革袋の中から火打道具と蝋燭《ろうそく》と懐中|
付木《つけぎ》とを探って、火をつけ床《ゆか》に立てて、濡れた笠と合羽を脱ぎ捨てて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
度胸のほどが、怖ろしい。 「おやおや、燧《ひうち》じゃねえんだな、この人たちは摺
付木《すりつけぎ》を持っているぜ」 と驚きながら、七兵衛があやしみました。 甲....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「そうですか、では、また話しにおいでなさいな」 「ええ」 七兵衛は、小笊の中へ
付木《つけぎ》を入れてかえすと、娘は、それを持って帰って行きました。 再び膝を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しや隣といふも越後山』――これもまぎろう方《かた》なき一茶の自筆。それからここに
付木《つけぎ》っ葉《ぱ》があります、これへ消炭《けしずみ》で書いたのが無類の記念....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
室内の一同、声を失っている。
お美夜《みや》ちゃん
一
角《かど》が
付木屋《つけぎや》で、薄いこけらの先に硫黄をつけたのを売り歩く小父さん……お美夜....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
珠数《じゅず》をかけてから、炉の中の灰を、右手の指で、額へ塗りつけた。
侍は、
付木から、護摩木へ、火を移すと、お由羅は、白芥子と塩とを混じたものを、その上へふ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いていった。 船もなかなか難儀なものだ。ひどく酔う者は血まで吐く。硫黄か懐中|
付木をふところにして乗ると船に酔わないというが、ひどく船酔いした時には、半夏陳皮....