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付添
「付添〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
付添の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
って死んだように青くなっていた。仲裁したものはかかり合いからやむなく、仁右衛門に
付添って話をつけるために佐藤の小屋まで廻り道をした。小屋の中では佐藤の長女が隅《....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
はベラン氏をおかしいほど大切にしているが、氏の方は、それと反対にすこぶる冷淡で、
付添いぐらいにしか扱っていない。 そのベラン氏が、なにか話したげに、僕の傍へや....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
れる亜太郎の屍体と一緒に、津田白亭と川口不二は葬儀、その他の準備のために私服警官
付添の上で上京し、一方弁護士の大月対次は岳陰荘に踏み留まって、金剛蜻治を表面助手....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
させ歎かしめたことであろう。 葬儀は済んだ。父に身近かの肉親親類たちだけが棺に
付添うて墓地に向った。わたくしはここの場面をも悉しい説明することを省く。わたくし....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
の戸締りをしましょう。 お妙 まったく此頃は戸締りが大切です。 (おいよにお妙も
付添いて奥に入る。風の音。下のかたより以前の昭全が源五郎を案内して出づ。源五郎は....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
先生なかなかやって来ない。鳥居の下で待つこと約三十分、杉田子、衣水子、木川子など
付添で漸くやって来た。聴けばある坂道で、剛力先生|凹垂《へこた》れて容易に動かば....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
打ちをした女があった。はっとして吉田がその女の顔を見ると、それはその病舎の患者の
付添いに雇われている
付添婦の一人で、勿論そんな
付添婦の顔触れにも毎日のように変化....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るのをちょっと見て少し行き過ぎましたが、また後戻りをして見に来たかと思うと、その
付添の下僕が違いない、違いないと言った。そうするとその紳士が私の所へやって来て「....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
の間に二人の感情や好意が、からみ合った。だが結局女中達よりも、新子の方が、夜通し
付添っていた。その方が、祥子がよろこぶからだった。 夫人は、祥子が病んでいても....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
で天井をむいたまま筆をすべらした。 医者は毎日二回来て、私に注射した。年寄りの
付添さんが午後にやって来て私の体をさすった。一週間もそうしてすぎた。私は杖をつい....
「おせん」より 著者:邦枝完二
目を避けるために、わざと蓙巻を深く垂れた医者駕籠に乗せて、男衆と弟子の二人だけが
付添ったまま、菊之丞の不随の体は、その日の午近くに、石町の住居に運ばれて行った。....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
無数の植木を、十台の大八車へ舁き乗せて、それを曳いたりそれを押したり、また左右に
付添ったりして、四十人ほどの植木師らしい男が、こっちへ歩いて来るのであった。深夜....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
よ!」 ピシッ、と劇しい鞭の音が、その瞬間聞こえて来た。血紅色の陣羽織を着た、
付添いの武士が革の鞭で、尼の背中をくらわせたのである。 キリキリキリキリと車が....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
君らと朝夕往復できたらと思いました。私はあなたの絵を肺の重いあわれな病友に、私の
付添婆に持たせて見せにつかわしました。しばらく私の手元に置かして下さい。大切に保....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
平は背後に打縄をつけられたまゝで、室内に這入って来た。無論二人の刑事は彼の背後に
付添うていた。喜平が一脚の椅子に腰を下ろすと、庄司氏は我らを引合せて其多年の知友....