付添う[語句情報] » 付添う

「付添う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

付添うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
で眼を開《あ》いた。鼻には桐油の臭がした。耳には桐油を撲《う》つ雨の音と、釣台に付添うて来るらしい人の声が微《かす》かながらとぎれとぎれに聞えた。けれども眼には....
雛妓」より 著者:岡本かの子
させ歎かしめたことであろう。 葬儀は済んだ。父に身近かの肉親親類たちだけが棺に付添うて墓地に向った。わたくしはここの場面をも悉しい説明することを省く。わたくし....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
平は背後に打縄をつけられたまゝで、室内に這入って来た。無論二人の刑事は彼の背後に付添うていた。喜平が一脚の椅子に腰を下ろすと、庄司氏は我らを引合せて其多年の知友....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、どんな目に遭わせることかと思われたのに、案外にも、極めて素直《すなお》に駕籠に付添うて有野村へ入ってしまいました。 有野村へ入って、お銀様の屋敷へ送り込んで....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
士や淑女よ。お立ち会い衆の大勢さまよ。これが私の洋行|土産じゃ。現代文化の影身に付添う。この世からなる地獄の話じゃ。鳥が囀り木の葉が茂り。花に紅葉に極楽浄土の。....
キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
しました。その深い罪のお詫びは、仮令、この儚ない玉の緒が絶えましてもキットお側に付添うて致します。……お別れしたくない……子供の事を呉々もお願いします。妾のまご....
南国太平記」より 著者:直木三十五
太郎の口調が、意外なので、はっとした。 「お前には、お前の仕事があろう。わしに、付添うていて、それが、何になる? 死ぬものは死ぬ。癒るものなら、癒る。そんな覚悟....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
世話して下さいと言うていつもオヒネリを十文ぐらいくれます。何処の女中でも、自分の付添うておる者には贔負が勝ちますもので……」 「成る程のう。そちのような下賤の者....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
にその戒行は清浄であって人を憫み救わるる点においても実に感心の至りであった。ただ付添うて居る家来が悪かったためにあんな事になったので、決して決してあの方の意見か....
三国志」より 著者:吉川英治
操は忽然、天を仰いで、 「……ああ。ああ」と、嗚咽せんばかり、涙を垂れて哭いた。付添う人々は、怪しんで、彼に問うた。 「丞相、どうして、そんなにお哭きになるんで....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
タの木という合歓木かまたは竹へ、短冊形の色紙と燈籠とを付けたのを持った青年が多く付添うて、旭川の川原まで持出し、花火を揚げたりいろいろと景気をつけた後に、川へ流....