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「付着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

付着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
たいらげるが、味加減などには一切無頓着で、蠅であろうが何であろうが、その際食物に付着している物は一緒に食ってしまうのである。胃袋がくちくなりはじめたなと気がつく....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
はじめた。 「マァニの草、あたしに惚れたって、お前じゃ駄目よ。そんなに、べたべた付着《くっつ》いたって、あたしゃ嫌」 よく、野|葡萄《ぶどう》の巻|鬚《ひげ》....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
の文句というのが、こうなんだ、――君は君の寝室へ飛込んだゼ号の手斧に放射能物質が付着しているかどうか確かめたことがあるだろうか、もし君がそうした注意を怠らなかっ....
振動魔」より 著者:海野十三
が同じでないものでは駄目である。 あとは釣るした缶に、飯粒かなんかを、ちょっと付着させた上で、もう一度始めに釣した缶をグワーンと、ひっぱたいてみると、あとから....
階段」より 著者:海野十三
あろう。たとえそれは泥がついていなくとも、リノリュームの脂かなんかがきっと表面に付着するだろう。それを反射光線を使い顕微鏡で拡大すれば吃度足跡が出るに違いない。....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
書しているのが両手の指先であって、それには、傷口を押えたと見なければならぬ血痕が付着していないのである。――そして、鐘楼にはその一円以外に、付着した血痕の存在が....
糸車」より 著者:寺田寅彦
を通過して平たくひしゃげた綿の断片には種子の皮の色素が薄紫の線条となってほのかに付着していたと思う。 こうして種子を除いた綿を集めて綿打ちを業とするものの家に....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
膠質粒子《こうしつりゅうし》は外からはいる黴菌《ばいきん》を食い止め、またすでに付着したのを吸い取る効能があるかもしれない。 寒中には着物を後ろ前に着て背筋に....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
の発生と共に弾丸の外側がぐにゃりとしたゴムのように軟化し、あたった物にぺったりと付着するのであった。そうして、叩き落とそうとしても離れないのだ。 しかし二時間....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
このロシヤ人は、その紙を粉の上にチャンと伸ばして、さらにその上に粉をふりかけ紙に付着した材料をば綺麗に拭い取って、初めてその紙を捨てるのであります。一事が万事で....
俊寛」より 著者:倉田百三
めきつつ岩をよじ上り、けわしき巌かどに突き立つ。手足、顔のところどころ傷つき血痕付着す。月雲を離れ、俊寛の顔を照らす。 俊寛 (月をにらみつつ)いかに月天子、汝....
父の葬式」より 著者:葛西善蔵
を出してみると、プラットホームの乗客の間に背丈の高い妻の父の羽織袴の姿が見え、紋付着た妻も、袴をつけた私の二人の娘たちも見えた。四人は前の方の車に乗った。妻の祖....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
とが羽飾をつけて騎馬行列をしていたあの雄大な時代に生きた人間としての自己の性質に付着していたローマンチックな血気に対して彼はみずから戦わねばならなかった。ベート....
洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
護しているものが、無色透明の、弾力のある、ところてんのような、玉子の白味のような付着物である。 それはその芽の生長をば小魚などに突っつかれて傷つかないように護....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
は少し違っているようだ、長さは一寸位で、背の真中ごろに少し突出した爪のような物が付着している。珍らしいので其儘紙に包んで置いたが、翌日劒沢の岩屋に着いた時ふと気....