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仙人掌
「仙人掌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仙人掌の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
のみか大人まで蟹の両眼八足を抜いて二※《つめ》のみで行《ある》かせたり蠅の背中に
仙人掌《サボテン》の刺《とげ》を突っ込み幟《のぼり》として競争させたり、警察官が....
「南路」より 著者:宮本百合子
場所を見ると、私は、鋭い色調と音楽的な美感に胸を打たれずにはいられない。 巨人
仙人掌《ジャイアント・カクタス》の奇怪な叢生が珍しい許りではない。無限の砂地とそ....
「シナーニ書店のベンチ」より 著者:宮本百合子
るアカシヤの並木がチェホフの書斎の伊太利《イタリー》窓から見える。花壺の中の緑の
仙人掌《さぼてん》が庭にある。遠くの海に艦隊がきた。鼻眼鏡をつけ顎に髯のあるチェ....
「スモーリヌイに翻る赤旗」より 著者:宮本百合子
て見えた。塔の内に大小三つの鐘があるのも見える。 ガラス張の屋内温室の、棕梠や
仙人掌《サボテン》の間に籐椅子がいくつかあり、その一つの上に外国新聞がおきっぱな....
「翔び去る印象」より 著者:宮本百合子
・ランドの陰気な輪廓が見える。低い、影の蹲ったようないら草の彼方此方から、巨大な
仙人掌《サボテン》がぬうっと物懶く突立っていた。 高さ十五|呎《フィート》もあ....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
いうことで、木下と信子とは議論をした。信子は百合の花が一番好きだと云った。木下は
仙人掌《さぼてん》の花が一番好きだと云った。
仙人掌の花なんか可笑しくって馬鹿げて....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
足で探りながら一歩一歩と進んでゆく。 闇の中から突然姿を現わす怪物のような野生
仙人掌《ノオバアル》に胆《きも》を冷し、人間よりも丈の高い、巨大な竜舌蘭《アロエ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ったのは、豪猪《やまあらし》の如き鋭い棘《とげ》を蠢《うごめ》かす巨大なる野生|
仙人掌《さぼてん》をもって、全身隙間なく鎧《よろ》いたる一台の植物性大|戦車《タ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
。都鳥と片帆の玩具を苞に挿した形だ、とうっとり見上げる足許に、蝦蟇が喰附きそうな
仙人掌の兀突とした鉢植に驚くあとから、続いて棕櫚の軒下に聳えたのは、毛の中から猿....
「仙人掌の花」より 著者:山本禾太郎
花は、血のような、真赤な色をしています。あなたと、おわかれするに臨んで、なぜ私が
仙人掌の花を描いたか、それは、恐らく私の一生に、私の口からその理由をお話しするこ....