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「代物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

代物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
さんぎ》を染め出す代りに、赤い穴銭《あなせん》の形を描《か》いた、余り見慣れない代物《しろもの》だった。が、お蓮はそこを通りかかると、急にこの玄象道人に、男が昨....
少年」より 著者:芥川竜之介
も、紙の黄ばんだ、活字の細《こま》かい、とうてい新聞を読むようには読めそうもない代物《しろもの》である。 保吉はこの宣教師に軽い敵意を感じたまま、ぼんやり空想....
星座」より 著者:有島武郎
ので、捨てるにもあたらないけれども、しまいこんでおくにはどこにおくにも始末の悪い代物だった。結局その場のばつを合わせるために、そうかといって聞いておけば、それで....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た研究をした。一八八七年に発表した電解の理論は真に画期的のものであって、言わば近代物理化学の始祖の一人としての彼の地位を決定するに至ったその基礎を成したものであ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、勘定を合わしょうなんど因業な事は言わぬ。場銭を集めて一樽買ったら言分あるまい。代物さえ持って帰れば、どこへ売っても仔細はない。 なるほど言われればその通り、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、誰も来て怯かされた。某も参って拉がれた。あれで一眼でも有ろうなら、三重県に居る代物ではない。今度名古屋へ来た連中もそうじゃ、贋物ではなかろうから、何も宗山に稽....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
筋を刻み、 「御都合じゃからお蝋は上げぬようにと言うのじゃ。御随意であす。何か、代物を所持なさらんで、一挺、お蝋が借りたいとでも言わるる事か、それも御随意であす....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、ヒイン、え、ヒインてんで。」 「暴れたかね。」 「あばれたにも何も、一体名代の代物でごぜえしょう、そいつがお前さん、盲目滅法界に飛出したんで、はっと思う途端に....
星女郎」より 著者:泉鏡花
なかんずく灰吹の目覚しさは、……およそ六貫目|掛の筍ほどあって、縁の刻々になった代物、先代の茶店が戸棚の隅に置忘れたものらしい。 何の、火は赤々とあって、白魚....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
、やはり心が怯れてしまう。ところが今度に限って非常な勢だ。何だ、こんな※だらけの代物が生意気|言やがるとばかりで 「誰のこったか、おらあ知らねえ」阿Qは立ち上っ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は頗る臭い物である。臭い位はまだ可いとしても、塩化窒素の実験となると、危険至極の代物だ。 三月初めに雇われたが、一月半も経たない内に、早くもこれの破裂で負傷し....
三枚続」より 著者:泉鏡花
が親類になったような有様で。 「理窟はないとおっしゃいますがね、先生、時と場合と代物に因るんですよ。何も口の端を抓られるばかりが口惜いというんじゃアありません、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
悪いのかい。」と斜に重忠という身で尋ねる。 「悪いの何の! から、手のつけられた代物じゃないんですよ。」 「ゆするの?」 「いいえ、ゆするも、ゆすらないも、飲ん....
註文帳」より 著者:泉鏡花
り、鉄漿溝というのについて揚屋町の裏の田町の方へ、紺足袋に日和下駄、後の減ったる代物、一体なら此奴豪勢に発奮むのだけれども、一進が一十、二八の二月で工面が悪し、....
活人形」より 著者:泉鏡花
夥度頭を振り、「うんや、汝には対手が過ぎるわ。敏捷い事ア狐の様で、どうして喰える代物じゃねえ。しかし隙があったら殺害ッちまえ。」 まことや泰助が一期の失策、平....