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代診
「代診〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
代診の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
いて老人は烟管《きせる》を取出した。この老人と自分、外に村の者、町の者、出張所の
代診、派出所の巡査など五六名の者は笊碁《ざるご》の仲間で、殊《こと》に自分と升屋....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
声や、人一倍大きく突き出した鼻も、案外彼女のさびしい貞淑さを裏切っていなかった。
代診を雇ってやらせていた医院が、買い溜めの高価な薬品や機械や材料といっしょに空襲....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がいないのです。しかし、その家族のものは、宵のあの裏返しでためしたとおり、書生、
代診、母親、女中、だれひとりそれと疑わしい顔いろさえ変えたものもないのでした。わ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の上へ引張らせると、脊は高し、幅はあり、風采堂々たるものですから、まやかし病院の
代診なぞには持って来いで、あちこち雇われもしたそうですが、脉を引く前に、顔の真中....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
で蔬菜静物を買い込んで来てテーブルへ並べてみるとか、あるいは子供の流感に喫驚して
代診の如く体温計を持って走ってみたりなどするのである。 ところでいくら神様が造....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
どうもごくろうさまで……どうぞ」 くぐりの戸をはいってきたのは手塚医師でなくて
代診の森という男である。この森というのは、ずいぶん古くから手塚の薬局にいるが、代....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
来たのだと言った―― その翌月、急病で斎木国手が亡くなった。あとは散々である。
代診を養子に取立ててあったのが、成上りのその肥満女と、家蔵を売って行方知れず、…....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
手伝に来てくれた人です」 と蜂谷に言われて、おげんは一寸会釈したが、田舎医者の
代診には過ぎたほど眼付のすずしい若者が彼女の眼に映った。 「好い男だわい」 そ....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
似ず商売熱心なんだね。教祖が直々患者を診察するのは一度だけで、あとは管長その他が
代診するらしいが、ボクの娘の場合で云うと、治るまで管長が毎日欠かさず水ゴリとりに....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
して階下へ降りる。出会い頭に便所からでてきたのは弁内。 待っていてくれた妙庵の
代診仙友とともに三人一しょに外へでる。十時半ごろだった。四ツ角で、右と左に弁内と....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
る。それが出来なければ基礎医学だけは独学をしてその前期の試験に合格すれば、今度は
代診という格になって、実際患者の診察に従事しつつ、その済生学舎に通うというような....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いちょい家へ来て、診察順を待つ間に、母ともお馴染になって話すのでした。父はいつも
代診をやって、青楼やそんな家へは決してまいりませんから。それが家で客をするのに女....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
した。 「いいえ」 と夫人は口ごもるようにして答えました。 「この人は、いわば
代診のようにして、内でお世話を申しあげた人でございますが、少し不都合なことがあり....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
」 「私もついうっかり遣っちゃったんで、はっと思うと、」 「うむ、」 「ちょうど
代診さんの方へ呼ばれたから遁げ込みました。」 「しかし癬が汚えといったのが、柳屋....
「世の中のこと」より 著者:小川未明
彼女は、どうしていいかわからなかったからです。しばらく黙って考えていました。 「
代診では、いけませんか。」と、看護婦が、問いました。 彼女は、あれほど、迷った....