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令兄
「令兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
令兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
眺め廻した。こうして義雄兄の子供と自分の子供とを一緒に置くことの結果を考えた。仮
令兄には懐《なつ》いても、嫂には懐かないという家庭の空気の中に子供等を置くことの....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
本部に親友林|駒生氏を訪れた。林駒生氏は本伝第二回に紹介した杉山茂丸氏の末弟で、
令兄とは雲泥、霄壌も啻ならざる正直一本槍の愚直漢として、歴代総督のお気に入り、御....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
|薬院に居住し、医業を以て聞こえている前医師会理事故権藤寿三郎氏(現病院長健児氏
令兄)は梅津只圓翁の係医として翁の臨終まで診察した人であるが、嘗て筆者にかく語っ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
出遊ばしてから後で、書置が御新造様の手箱の引出から出ましたので、是は親不孝だ、仮
令兄の敵を討つと云っても、女一人で討てるもんじゃ無い、殊に亭主を置いて家出をして....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
去る十一月一日発行の『文学新聞』に評論家の佐藤静夫氏が三鷹事件の被告宮原直行さんの
令兄にインタービューしたときのルポルタージュがのせられていた。商業新聞のやりかた....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
じゃア斯うして下さいまし、貴方には済みませんが、若し此処で千円出して下されば、仮
令兄が千円出さんと申しましても、私は衣類櫛|笄手道具から指輪のような物までも売払....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ける最大の偉勲者であることは曰う迄もない。 私は昨年三月二十二日、先生と先生の
令兄淺野正恭中将と岡田熊次郎氏とにお伴して駿河台の主婦の友社来賓室に於て九條武子....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
旭師にお願いして厳粛に開眼の式を行い、供養をしました。供養の時には製作者青圃氏と
令兄青坡氏、相馬家一同列席し、大導師渡辺師はじつに敬虔なる態度をもって、献香読経....
「読書遍歴」より 著者:三木清
家として知られている鹿島守之助君であった。鹿島君は私どもよりは一年先輩であるが、
令兄が大学で文科をやられていたのによるであろうか、私どもを全く驚かしたほど外国の....
「自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
ので、それなら他人と間違えられる事もあるまいと思って稍安心した事を記憶している。
令兄は法学博士岡野啓次郎氏という事であった。岡野昇さんは鉄道線路とシグナルとの設....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
同勢は子規、可全、碧梧桐の三君と余とであったかと思う。可全君というのは碧梧桐君の
令兄である。 これらは居士が大学在学中二、三度松山に帰省した間の片々たる記憶で....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
にあらず、度胸が据らざるが為めなり。あなたは二十日頃御出京と承わりました。然し御
令兄の御病気ではいけますまい。どうか御大事になさい。人の悪口を散々ついてあとから....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
に解釈し、それは自分にとってもこのうえもない好都合だと思った。というのは、土田の
令兄がS金山の鉱業所長をしていて、土田も北海道へ行くなら其処へ行けと私にすすめて....
「山の人生」より 著者:柳田国男
た。これも捜しあぐんでいると、不意に天井裏にどしんと物の堕ちた音がした。徳田君の
令兄が頼まれて上って見ると、その青年が横たわっているので、背負うて降してやったそ....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
学校校長を勤められ、県立図書館長を兼ねて、先年満鮮旅行のさいに同行されたお方だ。
令兄渡辺正三郎君編輯の『山形県経済史料』二冊を贈られたのは嬉しかった。わが社会史....