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「以来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

以来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カルメン」より 著者:芥川竜之介
る晩、僕はあるレストランの隅にT君とテエブルを囲んでいた。 「君はイイナがあの晩以来、確か左の薬指《くすりゆび》に繃帯《ほうたい》していたのに気がついているかい....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《せっちゅう》が、明治初期の芸術に特有な、美しい調和を示していた。この調和はそれ以来、永久に我々の芸術から失われた。いや、我々が生活する東京からも失われた。私が....
河童」より 著者:芥川竜之介
ることができませんから。」 「じゃクラバック君の家へ行こう。」 僕はあの音楽会以来、クラバックにも友だちになっていましたから、とにかくこの大音楽家の家へラップ....
」より 著者:芥川竜之介
るように彼自身の問に返事をした。 「少くとも僕はそんな気がするね。」 僕はそれ以来Kに会うことに多少の不安を感ずるようになった。 (大正十五年十一月十三日)....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
がするのにも違いなかった。のみならず僕は彼がうたった万葉集《まんようしゅう》の歌以来、多少感傷主義に伝染していた。 「ニニイだね。」 「さもなければ僕の中の声楽....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
になる御客人です。」――人の好さそうな内弟子は、無頓着にこう返事をした。 それ以来喜三郎は薬を貰いに行く度に、さりげなく兵衛の容子《ようす》を探った。ところが....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
し」と詠じた、その時の満足が帰って来たのである。 赤穂《あこう》の城を退去して以来、二年に近い月日を、如何《いか》に彼は焦慮と画策《かくさく》との中《うち》に....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
を啣《くわ》えた洋一は、ぼんやり柱暦《はしらごよみ》を眺めていた。中学を卒業して以来、彼には何日《なんにち》と云う記憶はあっても、何曜日かは終始忘れている。――....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ですね。それはいよいよ結構です。厨川《くりやがわ》博士《はかせ》の「近代恋愛論」以来、一般に青年男女の心は恋愛至上主義に傾いていますから。……勿論近代的恋愛でし....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
「どうしましょう? 人違いですが。」 「困る。実に困る。第一|革命《かくめい》以来一度もないことだ。」 年とった支那人は怒《おこ》ったと見え、ぶるぶる手のペ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
びくしょう》を送り、 「あいつ、嫣然《えんぜん》として笑ったな。」と言った。それ以来彼は僕等の間《あいだ》に「嫣然」と言う名を得ていたのだった。 「どうしてもは....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
もの》の事などを話し合った。しかし話ははずまなかった。この肥《ふと》った客の出現以来、我々三人の心もちに、妙な狂いの出来た事は、どうにも仕方のない事実だった。 ....
狂女」より 著者:秋田滋
うを指して次第に遠ざかって行った。 二時間ばかりたつと、兵士だけが戻って来た。以来、二度と再びその狂女を見かけた者はなかった。兵士たちはあの女をどうしたのだろ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
of Tuscany. チンダル Tyndall. 一八二〇―一八九三。一八八二以来退隠。科学者なれど文才あり、著書多し。 ヂュワー(人)Dewar. サー・ジ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
や葡萄づるのかげに逞ましい郷士たちが身をかくし、彼に不意打ちをくわしたのだ。それ以来この川には幽霊が出るといわれてきたので、今でも暗くなってからひとりでここを渡....