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仮漆
「仮漆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮漆の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ひきだし》に畳み卸してその四つ目が床に着く。床は樟《くす》の木の寄木《よせき》に
仮漆《ヴァーニッシ》を掛けて、礼に叶《かな》わぬ靴の裏を、ともすれば危からしめん....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ょう》にできていた。第三に尋常のものと違って、擬《まが》いの西洋館らしく、一面に
仮漆《ニス》が塗《かか》っていた。
胡乱《うろん》なうちにも、この階子段だけは....
「道草」より 著者:夏目漱石
た。彼は仰向いて兜《かぶと》の鉢金《はちがね》を伏せたような高い丸天井を眺めた。
仮漆《ヴァーニッシ》で塗り上げた角材を幾段にも組み上げて、高いものを一層高く見え....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た。ローマ人らは自分らに独特なものは何も持出さなかった。自然科学的教養はただ薄い
仮漆にすぎなかったのである。そうして国民の先導者らは文化に対する最も野蛮な暴行を....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
磨きてのち、鉛丹《たん》に膠水《にかわ》、または尋常《よのつね》の荏油《えのゆ》
仮漆《かしつ》を和《あわ》せたる、黄赤にしてたいまい色をなすところの元料《もと》....
「南路」より 著者:宮本百合子
に荷の始末を頼んで、我々は、発車に間のある列車に這入《はい》った。 窓枠や扉の
仮漆《ヴァニッシュ》は、相変らず天井の燈で燦ついている。暗緑色の座席には、同じよ....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
するのであったが、たまたま何かの教材の参考資料として、英国製で綺麗な彩色絵の上に
仮漆を引いた掛図を持出し、その中のある図について説明をした。その図以外に色々珍し....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
ましやかに モナ・リザは歩み去れり モナ・リザは歩み去れり 深く被はれたる煤色の
仮漆こそ はれやかに解かれたれ ながく画堂の壁に閉ぢられたる 額ぶちこそは除かれ....