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仮託
「仮託〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮託の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
吹をぽんぽん敲《たた》くのが癖だ。煙草《たばこ》を呑《の》むんだと云うが、煙草は
仮託《かこつけ》で、実は、腹立紛れに敲きつけるんじゃないかと思う。今頃はしきりに....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
だし上古からあったろう。人皇十五、六代の頃に明らかに見える。が、紀記ともに其処は
仮託が多いと思われる。かみなびの神より板にする杉のおもひも過ず恋のしげきに、とい....
「運命」より 著者:幸田露伴
、諸王の入臨を止むる者は、太祖の為すところにあらず、疑うらくは斉泰|黄子澄の輩の
仮託するところならんと。斉泰の輩、もとより諸王の帝に利あらざらんことを恐る、詔を....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
gssetzung.)。 ** シェーラーはその知識社会学なるものから、コントに
仮託して、歴史性の原理と価値的原理とを追放する。かくて残されたものが知識の社会学....
「辞典」より 著者:戸坂潤
然性は多くは広義に於けるモデルの利用となって現われる。と云う意味は、理論的説明を
仮託するものとして、多くの場合我々は、人間が日常経験しつつある所の影像 Bild....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
遠退いている。これは初期と中期との彼の作品について言うのである。あの精緻な追求や
仮託は、吾々にとって一時の道連れに過ぎなかった。ポール・ヴァレリーについても、吾....
「絵画の不安」より 著者:中井正一
ると同様であったことである。 そして天才と創造の概念は、ついに放恣と個人性とに
仮託的重要さをあたえるにいたった。現今の芸術のになえる悪評は、まさしくその欠陥に....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
の家へ自分で裾分けを持って行ったものだったが、この頃は、母親に言われても、何かに
仮託けて、つかいに行きたがらない。 母親が起き出られるようになって、どうやら針....
「埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
であったが、事によると弾正の面影をおぼろに記憶していたかもしれない。景憲が弾正に
仮託してこの書を書いたことには何かそういう根拠があるであろう。武田氏は景憲十一歳....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
碑や史伝では、僧の蓮誉ということになっている。ぼくの作品では、麻鳥に蓮誉の行為が
仮託してあるわけなのだ。これだけは意識して史実とちがえてある。 西行法師が、あ....