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「仰る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仰るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
実は、あの……昨晩から、主人の様子が、いつもと変っていたのでございます」 「と被仰ると?」 私は思わず訊き返した。 「はい、それが、あの……あれはなんでも、ラ....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
てやりました。……後で、後悔したのですが、やっぱりこれが悪かったのです」 「と被仰ると?」 司法主任の声は緊張している。 「つまり……私が……」 白亭は一寸....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
ちの中の小亭を指して云う「大川さんが来る前は書き物をするからあすこへ閉じこもると仰るので、ほかのお客を断わってお貸ししてありますのに、赫子さんが来ると何も放り出....
死者の書」より 著者:折口信夫
、過ぎた。肱を支えて、上半身が闇の中に起き上った。 おお寒い。おれを、どうしろと仰るのだ。尊いおっかさま。おれが悪かったと言うのなら、あやまります。著物を下さい....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ず言う。 「いえ、お召なんでございます。四十物町のお邸から、用があるッて、そう有仰るのでございますから。」 「四十物町のお花主というと、何、知事様のお邸だッけや....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
は筆を下すが早いか、いろいろの困難を感じた。第一は文章の名目であった。孔子様の被仰るには「名前が正しくないと話が脱線する」と。これは本来極めて注意すべきことで、....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
どうあろうとも、わたしどもは今日特別の改良をすることが出来る。なに、出来ないと被仰るのか。兄さん、あなたがやればきっと出来ると思う。こないだ小作人が減租を要求し....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
者もある。 わたしは十二の歳から村の入口の咸享酒店の小僧になった。番頭さんの被仰るには、こいつは、見掛けが野呂間だから上客の側へは出せない。店先の仕事をさせよ....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
「お名残りおしゅうございます」 「泣きもしまいが、泣いては不可ない」 「泣けと有仰るなら泣きますとも、泣くなと有仰れば耐えます」 「祝って貰わなければならないの....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
「ほほう」と云ったものの松吉は、どういう意味だか解らなかった。 「何が起こると有仰るので!」 丁寧な言葉で訊き出した。 「私は乞食でございますよ」 「まあね、....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
はふとこんなことを云った。 「はてね」と彦七は笑い声を立て、 「今更らしく何を有仰る」 「立派な寮、美しい愛妾。……卜翁様の豪奢振り、何と羨しいではござらぬかな....
剣侠」より 著者:国枝史郎
。妾もこの郷の女香具師の一人、いいえ貴郎様は発足たせませぬ! 無理にお発足ちと有仰るなら、竹法螺吹いて止めるでござんしょう」 もう発足つことは出来なかった。 ....
荘子」より 著者:岡本かの子
のたわ言など、こんなに真面目に聞き入っては下さいませんでした。何か鋭いまぜ返しを仰るか、ほかのお方とお話をなさるかでした」 「まあ、そうむきにならなくとも宜い。....
偽刑事」より 著者:川田功
貴女は今|彼処の店で買物をなさった様ですねえ」 「致しましたが、夫れがどうだと被仰るんです」 女は少しも驚かないのみか、寧ろ待ち望んででも居た様な落着方であっ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
はいられぬ羽目になった。 「じゃア、おばさん、私が何か不都合な事でも為ていると被仰るんですか。」 「別に不都合ということは無いのですけれど、他の噂を聞くと、市郎....