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仰天
「仰天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仰天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《あんどう》の前に、刀を腹へ突き立てて、無残な最後を遂げていた。甚太夫はさすがに
仰天《ぎょうてん》しながら、ともかくもその遺書を開いて見た。遺書には敵の消息と自....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
たてていた。おばあさまは、自分の部屋から火事が出たのを見つけだした時は、あんまり
仰天《ぎょうてん》して口がきけなくなったのだそうだけれども、火事がすむとやっと物....
「星座」より 著者:有島武郎
だったが清逸は加藤の依頼に応じて答辞の文案を作ってやった。受持教員はそれを読んで
仰天《ぎょうてん》した。そしてそれが当日郡長や、孵化場長《ふかじょうちょう》や、....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
芋虫をポタリと籠の目へ、落したから可笑い。目白鳥は澄まして、ペロリと退治た。吃驚
仰天した顔をしたが、ぽんと樋の口を突出されたように飛んだもの。 瓢箪に宿る山雀....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、提灯の蝋が倒れて、めらめらと燃えついた。沖の漁火を袖に呼んで、胸毛がじりじりに
仰天し、やあ、コン畜生、火の車め、まだ疾え、と鬼と組んだ横倒れ、転廻って揉消して....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
っくり聞こう。……そのお娘、私も同一じゃ。天魔でなくて、若い女が、術をするわと、
仰天したので、手を留めて済まなんだ。さあ、立直して舞うて下さい。大儀じゃろうが一....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
当年初に仕えたので、こうされるのが掟だと思って自由になったそうである。 宮奴が
仰天した、馬顔の、痩せた、貧相な中年もので、かねて吶であった。 「従、従、従、従....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
「お呼びや、私をお知らせや。」 とお珊が云った。 伝五|爺は、懐を大きく、
仰天した皺嗄声を振絞って、 「多一か、多一はん――御寮人様はここじゃ。」と喚く。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
愛い嫁菜が咲きます。」 「嫁菜がの、嬉しやの、あなたのような、のう。」 糸七は
仰天した、人参のごとく真まで染って、 「お祖母さん、お祖母さん、お祖母さん、そん....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
たが、お雪の体は死んだもののようになってはたと横様に仆れてしまいました。 喫驚
仰天はこれのみならず、蝙蝠がすッと来て小宮山の懐へ、ふわりと入りましたので、再び....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
で、山気の凝って鼠色の靄のかかりました一軒家、廂合から白昼、時ならぬ月が出たのに
仰天した、と、まず御推量が願いたい――いくらか、その心持が……お分りになりましょ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
悲しむという事は次になり、ただ茫然たるばかり、面目なきながら深沢に話せば、これも
仰天し、「実は伯父ご様の御文中にも若干の学資を持たせ遣したりとあれば、それを此方....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
で、からだを引きしめて、巨大な怪物が旅人に飛びかかろうとしているかのようだった。
仰天した先生のかみの毛は、恐怖のために逆だった。どうすればよかろう。向きをかえて....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
井|光起、こりゃもう、すぐに電話でお呼び申した。その驚いたより、十層倍、百層倍、
仰天をしたのは梅岡薬剤で、 (国手の前じゃ申しかねるが、僕はまた、三宜亭まで是非....
「活人形」より 著者:泉鏡花
亭主ここに控えた。「何をと、八蔵は隠し持ったる鉄棒を振翳して飛懸れば、非力の得衛
仰天して、蒼くなって押隔つれど、腰はわなわな気はあぷあぷ、困じ果てたるその処へ女....