仰山[語句情報] » 仰山

「仰山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仰山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
めいた事のために話はちょっと途切れてしまった。くだらない事に二人からわき出た少し仰山《ぎょうさん》すぎた笑いは、かすかながら木村の感情をそこねたらしかった。葉子....
或る女」より 著者:有島武郎
ので女中たちははしゃぎきった冗談などを言い言いあらゆる部屋《へや》を明け放して、仰山《ぎょうさん》らしくはたきや箒《ほうき》の音を立てた。そしてただ一人《ひとり....
星座」より 著者:有島武郎
まったが、ふと眼を西山の方にやると驚いたらしく、 「まあ新井田の奥さんが」 と仰山《ぎょうさん》にいった。 ガンベさんが取りなすように三十|恰好《かっこう》....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に来なすったの。」 「そうばかりじゃなかったが、まあ、それも一ツはあった。」 「仰山だわねえ。」 「ちと仰山なようだけれど、お邸つき合いのお勝手口へ、この男が飛....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
二ぜんの昨夜を、むかし弥次郎、喜多八が、夕旅籠の蕎麦二ぜんに思い較べた。いささか仰山だが、不思議の縁というのはこれで――急に奈良井へ泊まってみたくなったのである....
赤外線男」より 著者:海野十三
と学士は訊ねた。 「失礼ながら君は混血児なのかい」 「まあ、いやな先生!」彼女は仰山に臂を曲げ腰をゆがめてカラカラと笑った。「これでも日本人としては、純種ですわ....
地中魔」より 著者:海野十三
して、博士の残していった靴跡に合わせた。 「まだ岩は博士に化けていないや」大辻は仰山に失望の色をあらわしていった。 右の手首! 「親分じゃねえかな」 地....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
え、黙って居たのよ。すると不図娘の奴が妙に鬱ぎ出しやがった。鬱ぐもおかしい、そう仰山なんじゃ無えが、何かこう頭の中で円い玉でもぐるぐる廻して見て居る様な面付をし....
天守物語」より 著者:泉鏡花
として舞台にあり。 討手。小田原|修理、山隅|九平、その他。抜身の槍、刀。中には仰山に小具足をつけたるもあり。大勢。 九平 (雪洞を寄す)やあ、怪しく、凄く、美....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
と微酔の目元を花やかに莞爾すると、 「あら、お嬢様。」 「可厭ですよ。」 と仰山に二人が怯えた。女弟子の驚いたのなぞは構わないが、読者を怯しては不可い。滝壷....
縁結び」より 著者:泉鏡花
あら、まあ、あら良い香い、何て香水を召したんでございます。フン、」 といい方が仰山なのに、こっちもつい釣込まれて、 「どこにも香水なんぞありはしないよ。」 「....
化鳥」より 著者:泉鏡花
ほんとうにその晩ほど恐かったことはない。 蛙の声がますます高くなる、これはまた仰山な、何百、どうして幾千と居て鳴いてるので、幾千の蛙が一ツ一ツ眼があって、口が....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
え。」 と言いかけて身体ごと、この巌殿から橿原へ出口の方へ振向いた。身の挙動が仰山で、さも用ありげな素振だったので、散策子もおなじくそなたを。……帰途の渠には....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な痩せた顔をして、ホームスパンの上衣とズボンを着て、青い靴下に、大きな靴をはき、仰山な白鑞の締め金をつけていた。元気はいいが、もう萎びてしまった彼らの女房たちは....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
震火で灰となった記念物の中に史蹟というのは仰山だが、焼けてしまって惜まれる小さな遺跡や建物がある。淡島寒月の向島の旧庵の如....