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「件〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
件の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
しまいました。ところがその半月ばかりが過ぎてから、私はまた偶然にもある予想外な事
件に出合ったので、とうとう前約を果し旁《かたがた》、彼と差向いになる機会を利用し....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
た時から酔っていたんだ。
が、いくら酔っていても、久しぶりじゃあるし、志村の一
件があるもんだから、大《おおい》に話がもてたろう。すると君、ほかの連中が気を廻わ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
したのだった。
しかしそう云う幻覚のほかにも、お蓮の心を擾《さわが》すような事
件は、現実の世界からも起って来た。と云うのは松もとれない内に、噂に聞いていた牧野....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かし、――保吉はまだ東西を論ぜず、近代の小説の女主人公《じょしゅじんこう》に無条
件の美人を見たことはない。作者は女性の描写になると、たいてい「彼女は美人ではない....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ぶとん》を向うへ直した。が、叔母はそれは敷かずに、机の側へ腰を据えると、さも大事
件でも起ったように、小さな声で話し出した。
「私は少しお前に相談があるんだがね。....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
細君に細引《ほそびき》を持って来いと命令した。常子は勿論夫の容子《ようす》に大事
件の起ったことを想像した。第一顔色も非常に悪い。のみならず苛立《いらだ》たしさに....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
か》の小説は死んではいない。少くとも東京の魚河岸には、未《いまだ》にあの通りの事
件も起るのである。
しかし洋食屋の外《そと》へ出た時、保吉の心は沈んでいた。保....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
イフだった。殊に細君のヒステリイか何かを材にした句などを好まなかった。こう云う事
件は句にするよりも、小説にすれば好いのにとも思った。爾来僕は久しい間、ずっと蛇笏....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
最後に創作家としての江口は、大体として人間的興味を中心とした、心理よりも寧ろ事
件を描く傾向があるようだ。「馬丁」や「赤い矢帆」には、この傾向が最も著しく現れて....
「狂女」より 著者:秋田滋
かには、例の狂女が、相かわらず黙々として、いかにも静かに、自分の身にいまどんな事
件が起っているのか、そんなことにはまるで無関心であるらしく、ただ寝かされたままじ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
時に多少文才のあることを要する。悲しいかな、著者は自ら顧みて、決してこの二つの条
件を備えておるとは思わない。ただ最初の試みをするのみである。 科学者の中で、特....
「寡婦」より 著者:秋田滋
昔から語り伝えられて来た、一家のさまざまな話、先祖たちの火花を散らすような恋愛事
件をのこらず語って聞かせるのでした。なぜかと云いますと、世間ではその話を、それに....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
来荒々しい騎士道精神をいくぶん持っていたので、この婦人に対する権利を決めるには事
件を公然の争いとして、古の武者修行者のやり方にしたがって、簡潔単純な一騎打ちによ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
るようになってしまった。 見なれない顔が一つでも教会へ来れば、彼にとっては大事
件であった。それほど、彼の生活は狭いものになってしまった。ある日、二人連れの女が....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
人は浜へ嫁に行っていた村の娘が、亭主に死なれて帰って来たという話を、さもさも大事
件のように力を入れて話していたのでした。 峠を越すと、広い平原になって、そこか....