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「任意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
任意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「想片」より 著者:有島武郎
っていた教養の所産を、第四階級が採用しようとも破棄しおわろうともそれは第四階級の
任意である。それを第四階級者が取り上げたといったところが、第四階級の賢さであると....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
してくれた。 汽車の係員たちまでがこの白痴の少年には好意を寄せて無賃で乗車さす
任意の扱《あつか》いが出来たというから東北の鉄道も私設時代の明治四十年以前であろ....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
らう。 さてそのやり方であるが、まづ術者は、十枚あるひは十数枚(この数まつたく
任意)の、細長く切つた紙片を一枚づゝ観客に渡し、それへ好みの花の名を一つづゝ書い....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
我々の説からみれば、最初の回転方向は、外界から侵入した最初の凝縮核の運動次第で
任意なものと考えられる。 この章で述べてきた諸発見の大部分は、我々の太陽系以外....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
注視している。 一、次に俳優はいったんその位置を去り、付近の自由なる場所において
任意にせりふの暗誦その他練習をする。 一、その間にカメラのすえつけならびに操作準....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
て、その旦那の紳士ばかりは、猟期、禁制の、時と、場所を問わず、学問のためとして、
任意に、得意の猟銃の打金をカチンと打ち、生きた的に向って、ピタリと照準する事が出....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、そして彼女とは全然別個の存在――小櫻姫と名告る他の人格が彼女の体躯を司配して、
任意に口を動かし、又
任意に物を視せるのであります。従ってこの物語の第一の責任者は....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
あろうが、もともと彼等は、暗中に摸索しているのであるから、いつの間にか、めいめい
任意の解釈を造り、従ってわれ等の眼から観れば、多くの点に於てめいめい異った見解を....
「私の文学」より 著者:織田作之助
言だった。 その時、私はこう答えた。 「いや僕の文学、僕の今までの作品は、僕の
任意の一点です」 仮面をかぶりつづけていると、それが真実になる。
任意の一点と思....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
うせ線を引かねばならぬのなら、 「冴子ハ『赤ト黒』ヲ借リニ来タノダ!」 という
任意の一点にひっかけて直線を引いた方が、単刀直入の最短距離だと、思ったからであろ....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
てくるだけなので、よく考えてもみないで、うろつき廻ったあげくにいきどまりになった
任意の小さなドアをノックし始めた。 「開いているよ」と、なかから叫ぶ声がした。そ....
「城」より 著者:カフカフランツ
とおかみさんはしょっちゅういうのでした。それからこんなこともいいました。いつでも
任意な機会にあの人のいうことをほんとうに聞こうと努めてごらん。ただ上っつらだけで....
「審判」より 著者:カフカフランツ
のがあるんだ。つまらぬ心配というものだよ! 最終判決は多くの場合、思いがけずに、
任意の人の口から
任意な時に下される、ということを君はどこかで読んだはずだ。いろい....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
知っています。もし私が意見を述べるならば、それは一個の私人の意見であって、ほかの
任意のだれかの意見よりも少しだって重要というわけのものではありません。ともかく、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
欠く。わが日光丸とは雲泥の差あり。食事は毎回二、三品に過ぎず、一品を幾回重ぬるも
任意なり。茶は朝食のときを限りとし、そのほかは湯水のほかは供せず。ゆえに、乗客み....