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企む
「企む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
企むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
呑ませて、ぐッと手許へ引手繰っては、咽喉をギュウの、獲物を占め、一門一家の繁昌を
企むような、ソンな勘作の許へお嬢さんを嫁られるもんか。 いいえ、私が肯かないわ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の徴はすこしも見えなかった。彼はそのほうへ行進しながら、大音声で、余を暗殺せんと
企む者がある、わが国の王冠はスペイン王インファンタに売り渡されたぞと呼ばわり続け....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
坊主の住居は、浜松町だそうだから、丁度都合のいい足溜まりだ。しけ込んだ上で、何を
企むか知れねえって奴だ」 「成程」 「伊吹屋へ上がり込んで、みんなの機嫌を取るよ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
得て、銘々が自分の娘を嬪だの夫人だのというものにして自分の血縁を天皇に立てようと
企むに至って、相続のたびに、否、常に相続をめぐって、お家騒動の絶え間なき連続のよ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
足なんですか。ゴセッカイに、チョロ/\、なに企んでいるのです」 「チョロ/\何を
企むったって、屋根裏の鼠がひそかにカキモチを狙うんじゃあるまいし、それは、奥さん....
「夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
がよい。虫も殺さぬ笑顔とは、このことだ。イタズラをたのしむ亢奮もなければ、何かを
企む翳りもない。童女そのものの笑顔であった。 オレはこう思った。問題は、エナコ....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
戻ってきて屋敷をつくれば元のモクアミ。腹イセに村の子供をたきつけて、どんな悪さを
企むか分らない。子供に火ツケでも教えこまれると、村が灰になってしまうぞ」 「それ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
帰らぬと申すか!」 「元よりじゃ。横紙破りのお身が黒幕にかくれて、これだけの怪事
企むからには、よもや只の酔狂ではござるまい。槍ならばこの眉間傷、胆力ならば身共も....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
という慾心から、菊様の重役やお附のものが皆心を合せて御舎弟様を亡き者にせんと……
企むのでは有りはすまいが、重役の者一統心配して居る、御舎弟様は大切のお身の上、万....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
いは粥河圖書、事に依ったら又己を欺いて多人数の同類で取巻いて、飛道具で撃取ろうと
企むかもしれんが、さある時は止むを得ず圖書を一刀の下に斬って捨て、同類の奴輩を追....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
の表などと、貴公、奉行所の者か?」
「何?」
「役目が相違しておろう。それとも、
企むところがあっての、偽りか? まず、貴公の姓名を聞こう。その上にて、不審があれ....
「バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
ェとバルザックが描いたフーシェとを見くらべると、一驚する。バルザックのは、陰謀を
企む人々の背景に、あるときはその前景にチラリ、チラリとフーシェの剛慾さ、あくどさ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
もよい。留守とは、お城の内を守ることだ。――それがしの不在を幸いに、毛利家加担を
企む輩が、殿をめぐって、あらゆる策謀、甘言、強迫をもなすであろうが、そちたちは、....
「三国志」より 著者:吉川英治
あらん、咎めやあらん。こんな所で、帝位の廃立を議するとは何事だ。おそらく、纂奪を
企む者でなくば、そんな暴言は吐けまい」 皮肉ると、董卓は、 「だまれっ、われに....
「三国志」より 著者:吉川英治
肱、夏侯惇の所領であり、于禁も味方の一将である。 「わが足もとの混乱を見て、乱を
企むとは、憎んでも余りある奴」 と、曹操は激怒して、直ちに于禁の陣へ、急兵をさ....