伊達者[語句情報] »
伊達者
「伊達者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伊達者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
る娘と、それを木蔭から窺っている、折襟のチョッキを着て、頤髯をちょっぴりはやした
伊達者《だてもの》を描いたもので、もうかれこれ十年以上も同じところにかかっている....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
がよ》のおりおりごとに、馴染《なじみ》の姉様《あねさま》三千で、下谷《したや》の
伊達者《だてしゃ》、深川《ふかがわ》の婀娜者《あだもの》が沢山《たんと》いる。 ....
「惜別」より 著者:太宰治
名の開いたまちだそうであるが、日本で、der Stutzer の気取屋のことを「
伊達者」といっているのは、案外、仙台のこんな気風をからかったことから始ったのでは....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
上を。 織るような人通りだ。 黒子を貼った貴婦人と相乗りの軽馬車を駆っていく
伊達者。その車輪にぶら下がるようにして一しょに走りながら、大声に哀れみを乞う傴僂....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
じつに色んなものが私の視野を出たりはいったりする。 まず、歌劇役者のような
伊達者の若紳士が、白の手袋に白いスパッツを着用し、舞台の親王さまみたいに胸を張っ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
週間の契約だった。それはスポウツ・カアのように背の低い、真っ黄いろに装った稀代の
伊達者だった。黒と黄の配合はこの週間の流行だと言って、彼女は黒の制服をつけた真面....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
と赤の灯の玉があった。 煤煙。蒸気。光線。万国寝台会社|欧羅巴特急車が、傲慢で
伊達者な潜勢力を押さえて、駅長の笛を待っていた。明るい窓が、先へ往くほど小さく、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
七ツ七ツは十四じゃあないか。……) しのぶは声を合せてうたいぬ。 (下谷一番|
伊達者でござる。) (五両で帯を買うて三両で絎けて、) (絎目々々に七房さげて。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た。衣服が変わると、わたしの皮膚の色まで変わって、わずか十分というあいだに相当の
伊達者のようになったのです。 わたしはこの新しい服を着馴らすために室内を歩き廻....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
なびいて、聾桟敷ががやがやと沸き立っていた。一列目には幕あき前のひと時を、土地の
伊達者連中が両手をうしろへまわして立っていた。ここでも県知事のボックスにはやはり....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
西の自動車王シトロエンが、この地へ大賭博に来て居ること。フランス華族社会切っての
伊達者ボニ侯爵がアメリカの金持寡婦の依頼で、この土地で欧洲名門救済協会の組織を協....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
する男なのだ。美男子ではないが、渋いよさがあった。 だから、けっしてダンディ(
伊達者)ではなかった。 「……僕はもっさりしてるからね」 半分本気で言っていた....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
二百三高地・廂髪が一口に「ハイカラ」と呼ばれるに至って、一昔前に男ぞろいの、その
伊達者達の、卓上一夕の奇語から起った言葉が、思いきや、女人の髪の結いぶりへ転化し....
「「はつ恋」解説」より 著者:神西清
六つも年下であるばかりか、その性格も冷やかで、弱気で優柔で、おまけに頗る女好きな
伊達者であったと伝えられています。この女暴君と
伊達者との間に生れたのが、イヴァン....
「妻」より 著者:神西清
クだ、外国だ、つづいて彼女が外国でどこの馬の骨やらわからぬイタリヤ人かロシヤ人の
伊達者といっしょに、私の顔に泥を塗るようなことをしはしまいかという、片時も休まら....