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「伏屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伏屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
かかりながら、月を待つ間のお伽にとて、その坊さんが話すのですが、薗原山の木賊刈、伏屋里の箒木、更科山の老桂、千曲川の細石、姨捨山の姥石なぞッて、標題ばかりでも、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ると……手巾が隔てになった袖が触れそうだったので、二人が斉しく左右を見た。両側の伏屋の、ああ、どの軒にも怪しいお札の狗が…… 貸小袖 十....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
坊さんが、辛うじて……赤住まで来ると、村は山際にあるのですが、藁葺の小家が一つ。伏屋貝かと浜道へこぼれていて、朽ちて崩れた外流に――見ると、杜若の真の瑠璃色が、....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
と、水戸黄門が竜神の白頭、床几にかかり、奸賊紋太夫を抜打に切って棄てる場所に……伏屋の建具の見えたのは、どうやら寂びた貸席か、出来合の倶楽部などを仮に使った興行....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
はぎなのが、ともに腐れ、屋根が落ち、柱の倒れた、以前掛茶屋か、中食であったらしい伏屋の残骸が、蓬の裡にのめっていた。あるいは、足休めの客の愛想に、道の対う側を花....
星女郎」より 著者:泉鏡花
の面影が眉に迫って、驚破、松風も鯨波の声、山の緑も草摺を揺り揃えたる数万の軍兵。伏屋が門の卯の花も、幽霊の鎧らしく、背戸の井戸の山吹も、美女の名の可懐い。 こ....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
下さりまするな。(取り縋りて泣く) かつら いや、いや。死んでも憾みはない。賤が伏屋でいたずらに、百年千年生きたとて何となろう。たとい半※でも、将軍家のおそばに....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
が好きになるかもしれない。殺風景だと思っていたコンクリートの倉庫も見慣れると賤が伏屋とはまたちがった詩趣や俳味も見いだされる。昭和模様のコーヒー茶わんでも慣れれ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
は人かげらしいものもなく、道路をはさむ畑に薄夜の靄気《あいき》がこめて、はるかの伏屋《ふせや》に夕餉《ゆうげ》のけむりが白く長くたなびくばかり――法恩寺橋のたも....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
にも覚えのあることなり。 ひた土に筵《むしろ》しきて、つねに机すゑおくちひさき伏屋《ふせや》のうちに、竹|生《お》いでて長うのびたりけるをそのままにしおきて ....
源氏物語」より 著者:紫式部
てやった。女もさすがに眠れないで悶《もだ》えていたのである。それで、 数ならぬ伏屋《ふせや》におふる身のうさにあるにもあらず消ゆる帚木 という歌を弟に言わ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
芭蕉 かせ買ひの七つ下りをおとづれて 利牛 これなどは明らかに賤が伏屋の最も凡庸なる者の生活であって、和歌にはすでに見離され、俳諧はなおその客観の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
前がなければ抱きつきもしそうな媚を道誉の前に誇張して、 「まあ、ようこそ。こんな伏屋へ勿体ない」 とばかり、出迎えながら、一方では下屋の妓部屋へ向い、 「みん....