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「休職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

休職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
子は突然、二人の訪問客を受けて近頃にない驚きを覚えました。その内の一人は、永らく休職していた筈の尾形警部であったのです。 「お嬢様、今日は私の友人を連れて伺いま....
自叙伝」より 著者:大杉栄
では、有力な一人の競争者を持っていた。それは絹川玉子さんといった。 玉子さんは休職軍人の娘だった。まる顔の、頬の豊かな、目の小さくまるい、可愛らしい子だった。....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
された城址の坂道を上って行く学士も、ある藩の士族だ。校長は、江戸の御家人とかだ。休職の憲兵大尉で、学校の幹事と、漢学の教師とを兼ねている先生は、小諸藩の人だ。学....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
く熱心勧告したが、一年後の今日、彼は陸軍部内の依怙情実に愛想をつかし疳癪を起して休職願を出し、北海道から出て来たので、今後は外国語学校にでも入って露語をやろうと....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
かしたとも有難いとも感じない位いだ。これは司法大臣が選考し直されても、警保局長が休職更迭になっても、大丈夫出来ることだからだ。この妖怪めいた皇道主義振りや妄想的....
亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
、任地近くの海岸へしばらく療養に行っていたが、どうもはかばかしくないので、学校を休職して郷里の浜べに二年余り暮らした。天気がいいと油絵のスケッチに出たりしていた....
『吾輩は猫である』下篇自序」より 著者:夏目漱石
い。然し此序をかく今日の漱石先生は既に教師ではなくなった。主人苦沙弥先生も今頃は休職か、免職になったかも知れぬ。世の中は猫の目玉の様にぐるぐる廻転している。僅《....
トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
cialist であった。勇吉は間もなく郡視学に喚ばれたり警察に呼ばれたりした。休職――こうして唯一の生活法であったかれの職業はかれから永久に奪われて行った。 ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
ら起こる喧嘩口論や悲劇やうるさい雑用が引きつづきどしどし起ころうものなら絵描きは休職だ。その代り日記は面白くなるだろう。 文士などはその点結構だと思う。なるべ....
社会時評」より 著者:戸坂潤
滝川問題の代りに、京大問題が置き換えられたということではない。 滝川教授の強制休職を怒って法学部全教授が起ったのであった。滝川教授が仮に復職すれば無論問題はす....
傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
七 有吉祐太郎の大腿部の傷は、快癒までに二週間を要した。彼はその間に、休職を願った。そして一年ばかり過ぎて、免官の許可を得た。蔭で、田代芳輔の口添があ....
氷河」より 著者:黒島伝治
病院列車で後送になり、内地へ帰ってしまうだろう。――病院の下の木造家屋の中から、休職大佐の娘の腕をとって、五体の大きいメリケン兵が、扉を押しのけて歩きだした。十....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
汁を吸うのが家伝の法則の如くであったという利口な一家。維新の時にも左近はちょうど休職中で、ために人目にたたずに民間へ没してしまった。しかし彼は小栗上野と少からぬ....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
急報を受けた、国警大村警察の調べによれば、鼠背広の紳士は、一年前より肺を病んで休職中の、東京高等裁判所判事、三浦襄のペンネームをもって作曲家としても有名なる、....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
生もだいぶん弱っておられる」 私は果たしていい教育者であったろうか?──大学を休職になり、今病床に一生の思い出を整理しながら、気にかかるのはこの一事である。 ....