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会心
「会心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
会心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
頼しおき候えば同君につきせいぜい御勉強しかるべくと存じ候同君は御承知のとおり小生
会心の一友年来起居をともにしその性格学殖は貴女においても御知悉《ごちしつ》のはず....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うり》に逢いましたが、一足先にやっぱりこの路へ入りました。)
(ああ、そう。)と
会心の笑《えみ》を洩《もら》して婦人《おんな》は蘆毛《あしげ》の方を見た、およそ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
感を覚えて、ちょっと皮肉でも言ってみたくなった。「くだらない出来がこれほどなら、
会心の作というのはたいしたものでしょうね」とかなんとか。 しかし私は幸いにもと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
よく知っている。ただ私に似たような心の過程に在る少数の人がこれを読んで僅かにでも
会心の微笑を酬ゆる事があったら、私自身を表現する喜びの上に更に大きな喜びが加えら....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ぐ立って行って扉を調べたが、はたして法水の云うとおりだった。法水はそれを聴くと、
会心の笑を真斎に向けて、
「ねえ田郷さん、その窪んでいる位置が、ちょうど博士の心....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
の正体をあばいてみせるぞ」 帆村は、大きな獲物のはいった檻を前にして、はじめて
会心の笑みをもらしたのであった。 それから帆村の研究所は忙しくなった。活発な研....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
い、何奴もひょこひょこと米搗虫よ。」 「呑気なものさね、」と澄まし切って、島野は
会心の微笑を浮べた。 「さあ、行こう、何も冥途へ連れて行くんじゃあないよ。謂わば....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、雪なす膚に、燃え立つ鬼百合の花は、吸消されもせず、しぼみもしない。のみならず、
会心の男が出来て、これはと思うその胸へ、グザと刃を描いて刺す時、膚を当てると、鮮....
「旧作」より 著者:上村松園
からと言って、自分の作を軽々には取り扱わず、却って、 「あれこそ、自分のもっとも
会心の作」 であると言い切ったところに、この大家の偉さがあるのではないでしょう....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
から五日目の夜、突然検事が招かれたので法水の私宅を訪れると、彼は憔悴し切った頬に
会心の笑を泛かべて云った。 「やはり支倉君、僕は考える機械なんだね。書斎に籠ると....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
読んだので、その頃は『八犬伝』のドコかが三冊や四冊は欠かさず座右にあったのだから
会心の個処は何遍読んだか解らない。(私には限らない、当時の貸本屋フワンは誰でもだ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
兼好は思わず見返った。彼の窪んだ眼が小坂部のさかしげな眼と出逢うと、二人は無言で
会心の笑みを洩らした。 「塩冶の内室は殿上に生い立って、上手の歌よみという噂があ....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
桶の中から味わい分けた物語のごとき、いやしくも文芸の道に一片の了解をいだく者の、
会心の笑みを漏らさずには読み得ぬ一節ではあるまいか。 その
会心の笑みともいうべ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
人の顔さえ定かならぬ薄暗い室に端座してベロンベロンと秘蔵の琵琶を掻鳴らす時の椿岳
会心の微笑を想像せよ。恐らく今日の切迫した時代では到底思い泛べる事の出来ない畸人....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
の皮肉であろう。緑雨は恐らく最後のシャレの吐き栄えをしたのを満足して、眼と唇辺に
会心のを泛べて苔下にニヤリと脂下ったろう。「死んでまでも『今なるぞ』節の英雄と同....